『陰徳の陽』

もう 歩き疲れてしまった
何処までも続くこの小径 終わりは揺れて
立ちつくす陽炎に邪魔されてしまう

ぼやけた視界 差し込む光は頭上から
青く ただ青く霞むことすら知らぬ天で
今もその身を燃やし続けるモノに
軽く手を翳してみた

私の手は紅く透き通り碧に溶ける
形在るのに ひどく見えないのはきっと
心までが暗いからなのか

休まず留まらず 消えず倒れず
いつまでも輝きを放ち続けるあの赤き星
その眩さは 何も信じられない私には
少しばかり明るすぎた・・・

もう 殻に閉じこめてしまった
結末なんて分からないこの闇 何も無い
たった一つの燦めきさえ探せない

頽れる躰 今どこを向いているのか?
黒く ただ黒く塗り潰された天を見て
いつかその身を燃やし続けたモノに
軽く思いを馳せてみた

私の手は変わらずそこに在るようで無い
形在るはずで 何も感じられないのはきっと
照らすモノが無いからなのか

燃やし燃やして 一度も立ち止まらず
諦めると言うことを知らないあの赤き星
その気高さは もう何も無くなった私には
心から 欲しいと思えた・・・

ふと光が差して 僅かな光を見つけた
少し 目が眩んで でも手を
翳した

休まず留まらず 消えず倒れず諦めず
いつまでも永久【とこしえ】に輝き続ける赤き星
手を翳せば 流れる血潮に生きている実感を得る
それだけが欲しかった
生きるという鍵だけを・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

陰徳の陽

習作。目指すものは何かを問いかけながら。
大事なものはいつも傍にありながら、それに気付かない悲しさを表してみた。

何でもないことでも。

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投稿日:2009/11/28 16:59:12

文字数:607文字

カテゴリ:歌詞

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