聲が　轟く
化外の　詞を　遺す為
闇が　蠢く
涅槃の　調を　纏う為

逆しまの　月夜に　睥睨せよ
逢魔の　風を　吸い込みて

刻が　仄めく
無情の　静寂を　穿つ為
汚吏が　戦く
懴悔の　対価を　濁す為

野郎も　女郎も　死に絶えよ
悉く　唯　舞い堕ちて

*　此処は　すでに　鬼の中
　死花花よ　月は　また紅く
　此処は　すでに　鬼の中
　屍よ　夜は　まだ明けぬ


うまれ　うまれ　うまれ　生まれて
しに　しに　しに　死んで
己も　うぬらも　祖霊の　轍を　穢すのだ
一つ　人斬り　生き試し
二つ　不幸は　恋文に
三つ　淫らな　御姉様
四つ　世迷の　狂い咲き


*　（くりかえし）



此処は　すでに　鬼の中
咎人の叫びが…

こえが　とどろく
けがいの　ことばを　のこすため
やみが　うごめく
ねはんの　しらべを　まとうため

さかしまの　つきよに　へいげいせよ
おうまの　かぜを　すいこみて

ときが　ほのめく
むじょうの　しじまを　うがつため
おりが　おののく
さんげの　たいかを　にごすため

やろうも　めろうも　しにたえよ
ことごとく　ただ　まいおちて

＊ここは　すでに　おにのなか
　しかばなよ　つきは　またあかく
　ここは　すでに　おにのなか
　しかばねよ　よるは　まだあけぬ

うまれ　うまれ　うまれ　うまれて
しに　しに　しに　しんで
おのれも　うぬらも　それいの　わだちを　けがすのだ
ひとつ　ひときり　いきだめし
ふたつ　ふこうは　こいぶみに
みっつ　みだらな　おねえさま
よっつ　よまいの　くるいざき

ここは　すでに　おにのなか
とがびとの　さけびが…