夏が去った。
君が消えた。
夢が去った。
影が揺れた。
宵の畔を歩き、
藍色を重ねる。
新涼の日を汲みつつ、
心を散らす。
夏と秋と行きかふ空の通ひ路はかたへ涼しく風や吹くらむ
夏が過ぎて、
晴れも忘れて、
轍の影に、
秋風の匂い。
夢が褪めて、
しがらみほどけて、
夜半の色は、
布から落ちてゆく藍色。
遠い空の上で、
根無し草の星がまたたいている。
伸ばした手の短さを知り、
風の冷たさを知る。
木々は衣を落としてしまい、
縹渺の空気が流れている。
身体の軽さを知り、
自らを知る。
ありあけの渚を歩き、
月夜を攫う。
光差す日の夢を見つつ、
心を繋ぐ。
夏が過ぎて、
晴れも忘れて、
轍の影に、
秋風の匂い。
夢が褪めて、
しがらみほどけて、
朝日の色は、
布へと染みわたる桃花褐。
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