曇り空、特に良い事も悪い事も無く、来ている場所はカラオケ。多分今日も特に何も無く過ぎて行くんだろう。

「ゼロ、待ってて、飲み物取って来る。」
「んー。」
「わああぁ?!」
「痛ってぇ…?!」

派手な音と共に足に激痛、金属で殴られた様な痛みが走った。足を押さえながら見ると出前に使われる岡持と食器が床に引っくり返っていた。

「マジで金属!」
「ごめんなさ~い…って、ああ~!岡持が凹んでる!うぅ~お父さんに怒られるぅ~…。」

岡持を持った女はそのままブツブツ言いながら出て行った。と、何やら呪いでもかけられそうなパンダのストラップが付いた携帯が落ちていた。今の女の落し物だろうか?

「ちょっと、そこの人!これ落とし…。」

出た瞬間に自転車の影と共に爪先に激痛が走った。自転車で轢かれた?!

「痛っ…!!」
「ん?」
「おい、そこの!」
「え?!え?!何?!何?!」

痛いのと軽く怒っていたのとで怖い顔にでもなっていたんだろうか?岡持女は明らかに怯えると自転車に乗り込み走り出してしまった。

「ちょ…おい!」
「や~~~!!ごめんなさーい!!」
「聞けって!おい!」
「何で?!何で?!追っかけて来ないでよぉ~~!!誰か~~!!殺される~~~!!」
「違…!だから話を…!」

自分の脚力で走っている自転車に追いつけるとも思えなかったが、何だか色々と引っ込みが付かなくなって追いかける羽目になっていた。

「にゃああ?!信号?!」
「ちょっと待てって!携帯…!」
「イヤ~~~!!!誰か~~~!!!」
「トォッ!」
「ごふっ…!」

脇を歩いていた奴にラリアット…本日三回目…今日は厄日か何かだろうか…。退屈だとか思ってスイマセン、痛いのよりは特に何も無い日々が良いです。

「俺の前で鈴々に痴漢行為とは良い度胸だ!」
「だから違うっての…。」
「あ!私の携帯!」
「何!お前窃盗もしたのか?!」
「話を聞け!」

三回も痛い思いをした上に痴漢、窃盗犯呼ばわり…短時間でよくもまぁ重なったもんだ…。さっさとレイの所に戻ろう…。

「ゼロ~?」
「あ、お連れ様でしたら先程落し物を届けに外へ出られた様で…。」
「…居ないけど…?」
「その人なら何か自転車追っかけて行きましたよ?」
「…飲み物が余る…。」
「は、はぁ…。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

コトダマシ-11.話を聞け!-

クール…?

閲覧数:155

投稿日:2010/10/14 20:37:48

文字数:967文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • 0-ko

    0-ko

    ご意見・ご感想

    10話だぶってますよ~( ̄▽ ̄ )
    11話じゃないのかな…

    2010/10/14 18:43:02

クリップボードにコピーしました