ララ視点
「…ミク…姉…?」
私は虚ろに呟いた。
『VOCALOID、初音ミクのプログラムの反応が…全て消えました…』
実衣さんの声が聞こえる。まさか…ミク姉が消えた?
消失って曲の話じゃなかったの!?
嫌だよ…消えないでよ…。
居なくなるのは、とても悲しいことなのに!
「ミク姉…ミク姉えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
私は、何も信じられなかった。何で?何でミク姉が消えなきゃいけないの?何で消えちゃったの?
分からない、何もかも。ただ、私の目の前にあるミク姉の機体の中にはミク姉は居なくて、ミク姉のプログラムが消えちゃってて…。
プログラムが消える理由で考えられる物はいくつかある…。
バグが入るか、消されるか…私にはバグが入ったとしか考えられない。いや、突然データが消えるなんて絶対に無い筈の事なのに…。
「嘘でしょ…ミクさん…」
マイちゃんも絶句している。いや、マイちゃんだけじゃない。全員がこんな事を予想しなかったのだから。
ああ、何だか目の前が霞んで行く。何も見えない。何だか感情が噴火しそうだ。
私の全てが何かで染められて行く。何も見えなくなっていくよ。
分からない、何もかもが。そして、私の胸元の石は青く光る。
私の頬を何かが伝う。そして、私の意識は其処で途切れた。
キョウ視点
「何で…何でっ!」
私はボイレーシェンの操作ボードを叩いた。
悔しくて、悲しくて…なんで突然ミクさんが消えてしまったのかが分からなかった。
(キョウ、少しは抑えろよ!)
ソウの声が聞こえる。でも、私はソウの声を聞かなかった。今聞いて返答をしたらきっとソウに何か嫌な事を言ってしまうだろうと、ソウにあたってしまうだろうと思って何も言えなかった。
「…」
ただ、涙が流れる。皆こんな気持ちなんでしょう。
ミクさんが消えたのは誰のせいでもなくて、誰かのせいだとしたらきっと悪UTAUで、私は悪UTAUに復讐するしかないんだねと思っていた。
(キョウ…)
ソウの悲しそうな声が聞こえた。ああ、ソウもきっと悲しいんだろうな、悔しいんだろうな。
誰だってきっとこんな気持ちなんだ。
その時だった。
「ああああああああああああああああああぱいgj:あぴtんが:ぎあん:ちじゃ:いthん:ああえおtぅhん:あおえうhtgな:おえぅgh:おつghんj;あうおtj:gosunhg:aouhgn:aot!!」
機械音が聞こえた…。言葉が聞き取れないくらいの声で何か分からなかった。
(キョウ!ララちゃんが!)
ソウの声に気付いてララちゃんの機体の方向を向く。そしたら…暴走したララちゃんのボイレーシェンがあった。
『ララちゃんは感情がまだ不安定でミクちゃんが消えたせいで暴走してしまったの!』
実衣さんがそう言う。そんな…この状態で暴走するなんて…。
その時、ララちゃんの機体を中心とした場所が光り始める。
『危ない!全員エンジェルボイスターに戻って!』
ユアさんがそう言った、皆は急いでエンジェルボイスターの方へ戻った、だけど…。
「駄目!ララちゃんが!」
私はララちゃんを置いて行く事なんて出来なかった。私は必死にララちゃんを回収しようとしてララちゃんの機体の方向へ行って、ララちゃんの機体を掴んだ。でもそれは遅かった。
『空間転移が始まってしまう!』
ユアさんが言った。私達は戻れなくて、光に吹き飛ばされた。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「ララちゃん!キョウちゃん!」
マイちゃんの声が聞こえたような気がしたけど…私達はもう光のかなたへ消えてしまっていた。
続く
歌姫戦士ボカロボット第26話
ミクさん…。ララ…。キョウちゃん…。
次回予告
マイ「ララちゃんとキョウちゃん達が光に飛ばされて私達と離れてしまった。エンジェルボイスターはララちゃん達を探す為に捜索を始めたけど…ミクさんの消失で、全員何も分からない状態に陥っていた。そんな中、私達にたった一つの情報が…次回「ただ一つだけの希望」ねえ、今何処に居るの?」
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