戦火を逃れヴィニッカの林を抜けて 馬車に揺られて先を急ぐ
遙か彼方のイヴォークの山の麓まで ここを越えればもう安全
雲が流れている・・・水面が波打つ・・・
ほら、その場から安らぎが赴いてくるだろう、待ちわびてた様に
今、喜びも悲しみも躰の中いっぱいにして、天と地と草木達すべてに感謝して
跪いて故郷の哀れみの色を涙に含ませてみた
そして、これからが新しい時代の到来の予感、幸福でありたいとする心は変わらず
祈りに代えて生きとし生けるものに命の息吹を投げ掛けた
人は皆、そんな私のことを救世主とは云いたくないだろう
それでも時を数え・・・季節が巡りゆく・・・
ほら、あの頃の草木が樹海を育んでいる、生き続ける環態、私は終息を導くことだろう
さぁ、方舟が一通り君の星渡るまでに、天と地と草木達すべてに呼びかけて
浄化の魔導を発動させて君の誕生までも危うくさせる
されど、闇堕ちる美しき情景の映り替わりだけは、君だけにみせたくてこの瞬間を待っていた
一瞬にして君は生まれ行き故国の滅びを眼にしながら
君自身滅んでいく・・・この地に降りることさえ
私も同じく存在自体許されない異教徒なのだから・・・・
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