メイド服は着てるだけ
お給仕もお掃除もおまじないもやんないよ
ご主人様はミンチになった
お風呂も戸籍も入んないよ

むかしむかしあるところに
一人のかわいそうな少女がいて
なんだかんだでお屋敷へと売られ
残虐の限りを尽くされ
親の顔も知らぬまま糞の世話までさせられ
ついには気が狂うかというところで隕石が屋敷を粉砕し
外宇宙の神々が人類へと宣戦布告する中
トンネル効果とかポールシフトとかアセンションとかで
この現代日本へとやってきてしまったのでした

メイド服は着てるだけ
殴らないでよセバスティアン
なんだ 夢か
ポテトチップスが床で死んでる
まあいっかどうせなら腐り果てるまでほっとこう

あたしが仕えてるのはあたしだから
ネグレクトのクレームは受付られないよ

おかえりなさいませ ってか帰れよ
子宮に帰れよ
おかあさんのおっぱいでも吸ってさ
おかえりなさいませ ってか帰れよ
あたし帰れよ
ねえ 帰してよ 返してよ 孵してよ

かくして少女は
ただただ惰眠を貪り
停滞を貪り
孤独を貪るまま
腐り果てて死んでいくかに思われた
その時一筋の光が天から降り注ぎ
ユニコーンとたぬきのキメラが現れ少女にこう告げるのだ
「いいかげんこういうのやめない?」

あたしが仕えてるのはあたしだから
パラノイアの治療はまだ やだ
ゴミ箱にあふれかえるくらいの呪いだ
ねえ 返してよ メイド服 返してよ

もう少女なんて年齢じゃないんだから 目を開けよ
なにもかも嘘みたいな嘘
目も眩む六畳間で生きようよ 掃除しようよ
でも 本当は 本当は

おかえりなさいませ ってか帰れよ
冥土に帰れよ
おとうさんの説教でも喰ってな
おかえりなさいませ ってか帰るよ
あたし変えるよ
ねえ 返せよ メイド服 返せよ

かつて少女だったものが箒を振りかざすと
まあべつになにも起こらないんだけど
彼女はそれでもいいと思えた
そして私は彼女にこう告げるのだ
「メイド服はまた買えばいいんじゃない」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

メイド服は着てるだけ 歌詞

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投稿日:2023/03/24 18:45:32

文字数:836文字

カテゴリ:歌詞

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