傘の花が咲く街で 僕はひとり佇んでた
厚い雲が空を塞ぎ 温(ぬく)い風が大地を撫でる

何処か彼方 遠い場所(とこ)まで 瞳(め)を閉じて君を想うよ
静寂降らす夏時雨 蝉の声も呑まれて消えて

無限色のスペクトル光よ 天から届きし福音よ あの人を導いて
円環なる約束の途(みち) この心も洗っておくれ 大事なこと忘れぬように


「ヒトは出会っては 別れてく生き物で さよならだけが 人生なのよ」
君はよくそう言っては 涼しげに笑っていたね
青空透かし出す窓辺の 向日葵香る病室

やがて君は長い旅へ 重いだけの躰(にもつ)は捨てて
置き手紙のひとつもなしに 知り合った日のように唐突に

アスファルト揺らめかす陽炎は 黄泉を待って喩う幻想
街の人は足早に 僕の横を通り過ぎてく

太陽照らせイリスの橋を 曇天裂けヤコブの梯子 光が射すあの方へ
プリズムたちの大流星群 この心も映しておくれ 心配ないと伝わるように


胸を締め付ける 愛しい日々の記憶は 僕ら此処にいて 共に生きた証で
安心して旅に出てよ もうちゃんと理解(わか)ってるから
涼しげに笑っていた君が 決して言わなかった続きを


「だから そう 忘れないで」


空に架かる大きな虹は 尊いほど淡く輝き 儚いけれど美しく
頰に伝う小さな滴(しずく) 濡れたシャツの肩で拭(ぬぐ)い 口角を上げ息を吸った

行き交う人は 泡沫(うたかた)の絶景に 傘を下ろして 空を眺めた
忘れぬように 僕は愛を歌うよ いつか虹を架け 君に会いに行く日まで

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

At the End of the Rainbow

 歌詞を募集してらっしゃる方を探していたところ、keenさんという方の曲(https://piapro.jp/t/tt_V)がとても素晴らしかったので応募させていただくために書きました。

 作曲していらした時のイメージが「無垢な感じ。サビは行進してる感じのイメージでした。抑圧からの解放みたいな。」とのことでしたが、僕はなぜだかこの爽やかなメロディから悲しみを湛えながらも前を向いていくような力強さを感じました。

閲覧数:107

投稿日:2019/01/13 02:20:32

文字数:653文字

カテゴリ:歌詞

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