反省だけなら氷村でも出来るコーナー、パート3。

今回はバラード調。
思い出を辿りつつも大人になった自分を感じるという、アンニュイなだけではなく優しさを感じさせる曲なので、カイトの基本声はいつもの私のカイトを基礎に。
私の普段のカイト基本声は、高音になると掠れやすい。綺麗な高音を出せる値はもちろんあるんだけど、単純に私の好みの問題。
それと、高音が綺麗な声は、迫力の無さに拍車をかけるので、私にとっては調整がしにくい面もある。
高音が苦しそうに聞こえるのを、むしろ狙っているというか。
単純に好みn(ry
ジェンダーの値が楽しそうな声になるレベルなので、レゾナンスで調整。
しかし結局若干楽しそうに歌っていた。
所詮うちのカイトか。

ゆっくりと進行する曲なので、変な調声をするとぼろが出やすいというか、飽きやすい作りになる。
そうでなくともカイトは歌い方が単調。
でも迫力をぐいぐい押しだすようなタイプの曲ではない。
毎度毎度盛り上がりが足りない調声になりがちなのが分かっているのに、結局調節していると控えめ控えめになる。
で、やっぱり単調だよなーと後で思う。
この自分の中のブレはなんだろー。

ともあれ、大人しいなりに、いつも通り声がかすれ系なのを利用し、語尾に少しファルセットが残るような感じに出来ればと。
歌い始めと歌い終わりの一音を今回は控えめにしている部分多し。
ダイナミクスはすっと直線的に落とす部分と、岩のようにまるっと落とす部分を使い分け。
まあ聴く方には実は大差ない。

私の調声するカイトは高音が少し泣いているような声音になる事が多い。ある程度わざとやってる部分もあるけど。
(瞳に映る~の時にはこういう感じにならないように調整してみた。もっともあの曲はそんなに高音の部分は無い)
基本声の値のせいもあるけど、要は下方ポルタメントとピッチの効果。感情を出すのにちょうどいいから、効果的に使っている人は多いかもしれない。

それにしても結構スローテンポなのに、カイトの声のテンポの悪い所が数か所。
「あなたと食べた~」の「べた」は代表格。
べの部分をかなり短くしないと正しく歌ってくれなかった。
そんなに「べた」はダメなのか。それとも「たべ」がダメなのか。カイト、ふた文字以内で答えろ。
むしろ食べたが駄目かもしれない。
誤解のないように注釈すると、食べた、が悪いのではなく、そこに付随する音階と音の長さとカイトの声の調子と、この辺のすべての要素が重なってこの症状が出るので、一概に苦手な発音とは位置づけられない、です。
まあ……いつもの事なんだけど。譜面操作が全く必要ない曲の方が珍しい。


今回は、独断でハモりも作らせていただいた。
基本声テストで突然提示して見せて、こんなのいい? と、やっちまってから訊ねる暴挙。
ハモりは苦手です。コード進行ちゃんと頭に入れてないし。
だから適当に不協和音にならない程度にぐにぐにと動かしてみただけっていう。
こういうやり方だと、シーケンス上ではちゃんとしているように聞こえても、いざオケと合わせてみると、今度はオケと音がぶつかってたりとか、色々ある訳で。
何度も調節と合わせをやり直して、短いハモりに無駄に時間をかけ。
だからおっかしく聞こえても、そこは作曲者様のせいではありません。
「あなたと作り集めてきた」の中の「きた」の「た」の字で同じ音を重ねているので、ちょっとだけ力の強い発音になっている。
この歌い方、何となくいいかなーと思って。

まあ何にせよ、人さまの曲をいじるのならもう少し勉強も必要だよと。

この曲では声とオケのミックスも担当させていただいたので、「頬に付いた欠片を~恋しいよ」のくだりと「あなたがくれた~」からラストまでの残響は、少々金属質の音が入るようなリバーブを。
『瞳に映る~』とか『僕等の街』なんかでは、歌い終わりの一部分だけはかなりの残響を持たせるための効果を入れていたのだけど、今回は楽曲がストンと終わっているので、歌い終わりも割とすっきりと。


とにかく、久しぶりの高音で、幾分か不慣れな頃に戻ったような気分で。
何でも歌いこなせるようになるにはまだまだ修行が必要だと痛感した今日この頃。

曲の作者であるhighGさん、歌わせて下さって、本当にありがとうございました!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

八里半 調声メモ

作詞・作曲 highG さま

出来あがったもの
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9095434

閲覧数:254

投稿日:2009/12/16 13:42:08

文字数:1,791文字

カテゴリ:その他

オススメ作品

クリップボードにコピーしました