のほほんと生きる物書きです。 ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。 …のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。 IN率低いです。 マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。 全体的にgdgdなものが多いです。 小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。 だいたいはその場のノリで書いてます。
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「私たち、別れようか」
散歩にでも行こうと誘われて、夜の公園のベンチにたどり着いた時に彼女は唐突にそう告げた。
「何がいけなかったんですかね」
「んー、特別嫌なことがあったわけではないけど、そろそろ限界かなって思ったんだよね」
「これ以上はいられないと、そういうことですか」
「まあ平たく言えばそう...【キヨリリ】まちがいさがし【キヨテル誕】
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その記憶に確証が持てますか?
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目覚めたのは彼の部屋だった。確か彼と話していたら首元に何かを当てられて……、それで?
——“こんなところまで来るなんて、本当に馬鹿だな”——
最後に聞いた言葉を思い出す。そうだ、それで気を失ったんだ。
「起きたんだ」
声のかけられたほうを見る。カーテン...Memoria --『Symphony』--
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ねえ、もしも。あと一年で俺が大人になったら、あなたは振り向いてくれますか。
生徒のままでは、一人の男としてのスタートラインにすら立てないというんですか。
幼い子どもは、身近な年上の存在に恋をすることが多い。
そう言ってしまえば偏見かもしれないけれど、よくある話の一つではあると思う。俺もその多...【カイメイ】恋煩いの後味と【ハロウィン】
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それはただの思いつきだった。
保育園からの長い付き合いだけど、ずっと同じ関係性のままではつまらないから、何かの真似事をしようと言ったのは高校二年の夏だった。何かって何を、と彼が笑うので、私は真っ先に思いついたことをそのまま口にした。
「コイビトとか?」
「恋……いやいや、ちょっと待ってください」...【キヨリリ】影を踏むばかり【Lily誕】
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眠らない街、高みを目指して競い合うスタッフたちは、裏では仲がいいとは限らない。社会勉強とバイトを兼ねてやってみよう、と俺を誘った友人はもうすっかり鮮やかな照明と名声に彩られたこの世界に馴染んでいるようだ。
一方の俺は、次々に注がれる度数も値段も高いアルコールの量に慣れず、せっかくの休憩時間を手洗...【がくルカ】拍手と喝采【がく誕】
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恋をしている。こう言うとフィクションの物語に影響を受けすぎかと笑われそうだけど、ある日突然彼のことを異性として気にするようになってしまった。
昔から同じことをやっていたくせに、たまたま触れた彼の手のひらが記憶にあるものよりもずっと大きくて男らしいなと感じて、そうなると腕まくりをしたときにうっすら...【がくルカ】拝啓、となりの君へ
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君はもういない。
君はもう、私の前から姿を消してしまった。
君が何処へ行ってしまったのか。
君がどうして消えてしまったのか。
その理由を、私は一生知ることができないのだろう。
考えても考えても変わらない。
過去も現在も未来も変わらない。
過ちも嘘も事実も、何も変わらない。
何かを変えようとしたところ...【がくルカ】Future【1】
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友人につられてその空き教室に足を踏み入れたとき、浮かび上がった光景があった。
出席番号が一つ違う彼女は、いつも前の席で笑顔で話しかけてきたんだ。
……その空き教室に入ったのは初めてなのに、なぜか茶髪の女の子の笑う姿が頭から離れない。
立ち止まるオレの意思なんてお構いなしに、フラッシュバックは続いてゆ...【カイメイ】Plus memory【7】
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記憶の中の彼へ
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『空き教室で待ってる』
それだけ書かれたメモを握りしめて、私は教室の扉を開いた。カーテンの引かれた教室で、彼が背を向けて立っていた。
「来たね」
「約束ですから」
イスと机が端に寄せられた教室に、穏やかな光が差し込む。普段なら眠気が強くなるこの時間に、私は...【がくルカ】memory【31・終】
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玄関のドアが閉じた音を聞いて、眠気に閉じかけていた目を開く。ごろんと転がっていた体勢をそのままお見せするわけにはいかないので、さっと上半身を起こすと、丁度彼がリビングにやってくる。
「ただいま。寒かっただろう、体調は崩していないか?」
「おかえりなさい。大丈夫でしたよ。私は部屋で温まっていましたか...【がくルカ】ゆく年を思う
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平凡な人生を生きてきた。
映画なら、スタッフロールが流れ始めた瞬間に席を立つような。ミステリー小説なら、中盤で犯人が分かってしまうような。プラスチックのカップ一杯のコーヒーなら、飲み終わった後のカップに氷が半分以上残されているような。
他人にわざわざ語ることもないほど、特別な出来事を人生に刻ん...【がくルカ】夕映えの君
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もう自らの存在を証明する手立ては失った。
あとは生きるか死ぬかを選ぶだけだ。
そうすれば、余計なことは考えなくてもいい。
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その日から、別の誰かが俺に成り代わった。
記憶喪失になった俺は、自身のことを『神威 学』だと思い込んでいた。
それどころか、屋上から投身自殺をした記憶があっ...Memoria --『Serenade』--
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「やあ、久しぶりだね」
私は目の前の光景に目を疑った。
最後の授業を終えたその日、卒業前に一度景色を見ておきたいと屋上に行ったら、神威先生が柵にもたれかかっていたのだ。しかも白衣も着ていなければ眼鏡もしていない。それに、「久しぶり」なんて言葉はおかしい。
「……毎日授業では顔を合わせているはずな...【がくルカ】Plus memory【6】
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その夜、きっと僕は疲れていたんだろう。
まともな教育も受けていない僕は定職には就けず、日雇いの仕事で得たほんの僅かなお金と疲れ切った体だけを抱えて、その日寝るための地面を探して路地裏をさまよう毎日。
その日だって、廃棄されたパンでもないかとパン屋がある通りに向かっていただけだった。
「もう、な...【カイメイ】背中合わせの温度【ハロウィン】
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その日、私は初めて一人になった。
きっかけは些細なことだった。唯一の家族である兄と口喧嘩になり、頭にきた私は部屋に戻り、リュックに荷物を詰め込んで家を飛び出した。
リュックの中身は一日分の着替えと財布くらいのもの。せめて今日一日くらいは、兄の顔を見たくないと思った。
勢いで飛び出してきたもの...【キヨリリ】わたしの居場所【Lily誕】
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「流れ星が流れている間にお願い事をすると、それは叶うんだって」
かつて彼女から聞いたその話を、今更思い出したのはどうしてだろう。
流れ星を確実に見る方法は流星群の情報を調べることで、次に大きな流星群が見られるのは、八月十二日のペルセウス座流星群。だけど、大量に夜空を流れ落ちる星屑にかける願いは、...約束の日まで【がく誕】