タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(105)
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その記憶に確証が持てますか?
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目覚めたのは彼の部屋だった。確か彼と話していたら首元に何かを当てられて……、それで?
——“こんなところまで来るなんて、本当に馬鹿だな”——
最後に聞いた言葉を思い出す。そうだ、それで気を失ったんだ。
「起きたんだ」
声のかけられたほうを見る。カーテン...Memoria --『Symphony』--
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今日もベルスーズの入り口のベルが鳴る。
入ってきた人物はやはりいつも通りの冷めた表情で立っていた。
「いらっしゃい、深川さん」
「相変わらず繁盛してないのね」
「何を今更。深川さんこそ、ここのところ毎日じゃないか」
「いろいろあるのよ、いろいろとね」
深川さんは入り口から三つ目のいつものカウンター席...Distance【Ⅳ】
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『ただいま電話に出ることが出来ません。
ピーという発信音の後に、 メッセージを録音してください』
もうすっかり暗記してしまった電話番号の先に、僕の話を聞いてくれる人はいない。
何度かけても、何日後にかけても、電話の主が声を聞かせてくれることはない。
それでも、聞き慣れた自動音声を聞くことが、毎晩の日...【ミク誕】コネクション
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未来の形を
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「二人、上手くいくといいけど」
教室の外で、中の様子を気にしながら呟く。
「大丈夫だとは思うよ。少なくとも今より悪化することはないだろう」
「うーん……でもなんか心配なんですよねえ」
「神威が詳しく話してないというのは予想外だった」
「おかげでルカの誤解もなかな...【がくルカ】memory【30】
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"trick or treat"
お菓子か悪戯か。
わかりきった二択を迫り、自らの行動で幸福を満たす菓子や悪戯の『糖度』が決まる。
西洋から伝わった伝統は、やがてこの国にも楽しみな行事として根付いていく。
無邪気な子ども達は仮装してお菓子をもらい、時に可愛らしいイタズラをして帰っていく。
大人達は淡...Bitter Caramelle【ハロウィン】
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「盗まれた紙は・・・」
執事は嘆く。
「何処にあるのでしょう?」
メイドは悩む。
「Hurry hurrY!!」
少年人形は急かす。
「あっちへ?こっちへ?」
主人は迷う。
「ネエ、怪シイ手紙ガ」...Twilight ∞ nighT 3【自己解釈
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日常生活ってなんだっけ?
私たちが過ごす、当たり前のような毎日のこと?
じゃあ、私の日常って何?
私の空洞を埋めるものはどこ?
誰か。
私の日常を説明して。
私が私であることを証明して。
崩れる?
日常が?平和が?人格が?
それとも私自身なら、もうとっくの昔に崩れている。...【ミク・リリィ誕】Pygmalion Complex
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「じゃあ、私帰りますね!」
鞄、もとい学校のスクールバッグを肩にかけてそう告げたミクちゃん(ドジっ娘)。
その言葉を聞いて、ルカさんとミクさん(歌姫)は驚いたように目を丸くした。
「そんな! ゆっくりしていけばいいのに! 私同じ初音ミクとしてもっともーっと話したいところだったのに!」
「それにこれと...ヴォカロ町へ遊びに行こう 13【コラボ・ゆ】
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「さあ、跪きなさい」
愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
絶対の権力を持っていたがために、あっけなくその首を落とされた彼女の話を。
昔々、とある大きな国がありました。
そこは「黄ノ国」と呼ばれていました。なんでそう呼ばれていたのかは正直よくわかりません。
その国に、一人の王女様がいました。...【七つの大罪】リリアンヌと楽しい日常【二次創作】
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あの後神威さんは意識を失って倒れた。
補正が効いているにも関わらず、出血が多すぎるという理由で。
で。
『本っ当に、ごめんなさい!!!!!!』
現在、改造専門店『ネルネル・ネルネ』本店でございます。
簡潔に状況を述べますと、ルカさんが神威さんに土下座してます。
……え。
「私、何があっても二人を守れ...ヴォカロ町へ遊びに行こう 11【コラボ・ゆ】
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「お父様、早く帰ってこないかな」
大好きなお父様は、私を外に出してくれない。
だから私は外の世界なんて何も知らない。
でも別にそれでもいいの。
だってお父様が「外は危ないことがいっぱいあるから出ちゃだめ」って言ってるんだもの。
ならば私はそれでいい。お父様はいつだって正しいのだから。
この部屋の中に...【箱庭の少女】少女人形と楽しい終末【二次創作】
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ロシアンさんの背中に乗って街の上を移動するのに数秒。
驚いている間に、イベント会場とやらに着いたようだ。
『ほら、着いたぞ。さっさと降りぬか、無駄に力を使いたくないのだ』
「あ、あぁ、すまない」
十数秒前にも似たようなやり取りをしたような。
いや、あなたたちにとっては普通であろうこの光景は、私たち一...ヴォカロ町へ遊びに行こう 5【コラボ・ゆ】
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「ねぇ兄さん、ここはどこかな…」
暗いクライ森の中、そこにいるであろう人物に問いかける。
先程から同じような質問ばかりしている。
たったひとりの頼れるひとを、困らせてはいないだろうか…不安になる。
「大丈夫、ここは僕らがよく知ってる森の中だよ。暗いから怖いけど、じっとしていれば大丈夫さ」
なのに、兄...【置き去り月夜抄】仲良し双子と暗い森【二次創作】
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残された時間で
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「ふわぁ~、眠い……」
大きく伸びをしながら、欠伸をする神威先生。彼が無事退院して学校に帰って来てから、二週間ぐらい経つ。
それまで退屈に思っていた国語の授業も、ようやく楽しく思えてきた。それに代理で教えていた先生の授業、全然面白くなかったし。元々国語が苦...【がくルカ】memory【27】
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『trick or treat』――お菓子か悪戯か。
それは一夜限りの夢を見る魔法。
ハロウィンの使者が、街に笑顔を灯す夜。
甘い香りが漂う夜に、人々はそれぞれの幻想を抱く。
お菓子を両手に無邪気に笑う子供たち。
悪戯をされて少し困ったような笑みを見せる大人たち。
ただ一言で選択肢を突きつけるその言...【ハロウィン】Apple candy
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『VOCALOID』
それは歌うために造られた存在。持ち主《マスター》の望むように歌う。
そういうふうに作られたから、今の世の中にVOCALOID《プログラムの歌手》がある。
それは親しみを込めて『ボカロ』と略されるようになり、いろんな世代に愛されるようになった。
ボカロというものは、元々は意思を持...【ミク誕】calendar
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「暑い~…」
今にも溶けそうなほど暑い夏の日、私はしきりにペンを走らせていた。
ペンを握りっぱなしなので、指がかなり痛くなってきている。
さらに、手が少し黒くなっている。あとで手を洗わないとな…。
「なんで宿題あるんだろー…宿題なんてなくなればいいのに…」
「そんなこと言っても宿題は終わらないよ」
...H&F works
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客間に通された俺とカイトは、互いに睨み合っていた。
「おい。記憶がないって、君もなのか?」
「あぁ。一ヶ月前から今までの記憶はある」
「そうか…本当に、僕と同じみたいだな」
「同じって…まさか、お前もそうなのか?」
「あぁ」
おい…なんだか、気味が悪いな。
なんなんだよ。
全く知らない赤の他人と、同...【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 3【自己解釈】
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映像を見ていた。
頭の中を、映画のダイジェストのように、記憶が流れていく。
「…あぁ、そうか」
『非現実? こんなの現実の範疇を超えていないくだらないことよ』
笑いながら冷たい目をした初音。
『あのー。ここって……、MGR団、でいいんですか?』
スマホを弄りながら淡々と告げるグミ。
『私だよ。私があ...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 14
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白雪姫、という話を皆さんはご存知ですか?
誰もが知っている有名な話です。
…え?いえいえ。某夢の国のほうの白雪姫ではありませんよ?
ええ。そう、童話のほうですよ。僕が言ってるのはそれなんですよ。
きっと皆さんご存知だとは思いますが、白雪姫はグリム童話のお話なんですね。
それで、本当に最初の話はちょっ...ボカロで童話やってみた 前編【白雪姫】
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昔話をしてあげる。
いい夢を見れるように、あなたが悪夢を見ないように。
私がこの本を読んであげる。
だから、安心して聞いていなさい。
むかしむかし あるせかいに とある かきて が いました
その かきて が ほんをかくと たくさんのにんげんが そのほんをよみました
そして にんげんたちは そのほん...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 12
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街を彩る白い雪。
それを溶かし、暖かな春の優しさが街を覆う。
風が、微かに頬をかすめていく。
そんな日がいつか、この場所にも訪れるのだろう。
春を望む人々の気持ちを、冷たい雪が固めていく。
その雪は、人々の心に何かしら影響を与える。
そして、それは稀に、孤独を生み出す。
決して他からは考えられないよ...【がくルカ】Simpatia
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「救いが欲しけりゃ、金を出せよ」
私はかつて、沢山の被告人にそう言った。
哀れだったのだ、私も、犯罪を犯す者も…世間も。
いくら金を積んでも罪は消えないというのに。
お前の人生は、法廷の主である私の気分次第。
もっと金を出すというのなら、どんな極悪人でも無罪にしてやる。
金こそ全て、そういうふうに考...【七つの大罪】悪徳裁判官と自由法廷【二次創作】
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「私達…ずっと、友達だよね?」
私がそう言ったのは、いつのことだったか。
私の言葉に、大切な『友』達は笑顔を返した。
なのに…
「リン…ねぇ、なんで…」
誰かの泣き声が、微かに聞こえる。
いや、違う。この声は…私の友の声だ。
その人が泣いている理由を、私は理解できなかった。
たくさんの人達の焦る声。...【鏡音リン】ベストフレンド
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曖昧な記憶の中で
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「巡音さん……?」
今、目の前の彼は何を言っているのだろう。だって、確かにあの時まで…彼は、私を「ルカ」と呼んでいたのに。「巡音さん」なんて、一度だって呼んだことはなかった。
「何故……君が、ここに」
「あなたの看病ですよ。先程も言いましたけど、あなたは事...【がくルカ】memory【24】
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また宴が終わる。
夢のような時間は、短時間で終わりを告げる。
そして…暗い満月の夜は明ける。
空に朝日を映し出さないまま…
「…そろそろ時間だし、起こしてきたら?」
「はいはーい、すっごく面倒くさいけど行くねー♪」
「おい、お前メイドだろ。仕事はちゃんとしろ」
今日も執事と他愛ない会話をして、お客様...Twilight ∞ nighT 2【自己解釈】
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「私からの贈り物よ」
薬が入った小瓶を差し出し、私は微笑む。
何も悪いことなんかない。
すべて、この薬で忘れてしまえばいい。
せっかくなので、軽ーく説明とかしちゃいましょうか。
あらすじにまとめるとね、私は医者の娘なのよ。
でね、小さい頃からの仲良しの、カスパルっていう人と結婚したのよ。
政略結婚だ...【七つの大罪】眠らせ姫と秘密計画【二次創作】
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抜け穴をくぐって、僕は思う。
この学校の構造、どうなってるんだよ。
なんで壁の中こんなにおかしいんだよ。
いや、そもそもコンクリート掘った初音がおかしいのか。
「っていうかさ、初音」
「何よ、このバ神威」
「酷っ!…いや、さっき『抜け穴作ろう』とか言ってたよな?」
「そうね」
「もうこれあるじゃん!...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 10
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いったいどうしたら、家に帰れるのかな…
時間は止まり、何度も同じ『夜』を繰り返してきた。
同じことを何回も繰り返した。
それこそ、気が狂いそうなほどに。
どうしたら、狂った『夜』が終わるのか。
私も、皆も考えた。
そして、この舞台を終わらせるために、沢山のことを試してみた。
だけど…必ず、時間が巻き...Twilight ∞ nighT【自己解釈】
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それは、二月十三日。とあるイベントの前日である。
「はー、もうすぐバレンタインか」
「ってか、明日だけどね」
先ほど授業終了のチャイムが鳴った。今は昼休み。待ちに待った昼食タイムである。
いつもならメイコと二人で食べるんだけど、今日は違う。たまに、学園祭のときのメンバーで弁当を食べることがある...Plus memory【3】