タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(80)
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ねえ、もしも。あと一年で俺が大人になったら、あなたは振り向いてくれますか。
生徒のままでは、一人の男としてのスタートラインにすら立てないというんですか。
幼い子どもは、身近な年上の存在に恋をすることが多い。
そう言ってしまえば偏見かもしれないけれど、よくある話の一つではあると思う。俺もその多...【カイメイ】恋煩いの後味と【ハロウィン】
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友人につられてその空き教室に足を踏み入れたとき、浮かび上がった光景があった。
出席番号が一つ違う彼女は、いつも前の席で笑顔で話しかけてきたんだ。
……その空き教室に入ったのは初めてなのに、なぜか茶髪の女の子の笑う姿が頭から離れない。
立ち止まるオレの意思なんてお構いなしに、フラッシュバックは続いてゆ...【カイメイ】Plus memory【7】
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その夜、きっと僕は疲れていたんだろう。
まともな教育も受けていない僕は定職には就けず、日雇いの仕事で得たほんの僅かなお金と疲れ切った体だけを抱えて、その日寝るための地面を探して路地裏をさまよう毎日。
その日だって、廃棄されたパンでもないかとパン屋がある通りに向かっていただけだった。
「もう、な...【カイメイ】背中合わせの温度【ハロウィン】
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「ねえ、こんなトキメキは別に求めていないんだよ」
だから話し合おう、ね? 人間は何のために言葉を持っているの、そう、話し合うため。唯一ヒトだけが取ることができるコミュニケーションだもの、活用しないともったいないでしょう?
「君は私と一緒にいるのが嫌なの?」
「そうは言ってないよ、だけどかわいいきみ...【カイメイ】お願いを、きみに
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私には、幼なじみがいる。
控えめに笑う彼は一つ年下で、よく互いの家に遊びに行っていた。
彼は優しく、おとなしく、私がよくからかっていた。
彼の性格故にその本心を知ることもなく、私が社会人となっても、近すぎる関係は続いていた。
「やあ少年、今年もお困りの季節がやってきたようね」
「ねえめーちゃん、毎年...【カイメイ】恋とはどんな味でしょう【ハロウィン】
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夕暮れ時、黒板に刻まれたその文字列を、なかなか消すことができなかった。
この場所で、優しい声で、だけど決して私だけには向けられない視線。
彼の優しい笑顔は仕事のためだと、私は知っている。
それでも。彼には、私だけを見てほしかった。
彼とは、多分他の人と変わりない出会い方をした。
四月の教室で...【カイメイ】独占欲
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今日もベルスーズの入り口のベルが鳴る。
入ってきた人物はやはりいつも通りの冷めた表情で立っていた。
「いらっしゃい、深川さん」
「相変わらず繁盛してないのね」
「何を今更。深川さんこそ、ここのところ毎日じゃないか」
「いろいろあるのよ、いろいろとね」
深川さんは入り口から三つ目のいつものカウンター席...Distance【Ⅳ】
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誰か教えてください。俺には、わからないんです。
行き場のないこの想いを、どうすればいいのか。
その春も、俺は自身が通っていた高校で、教師をしていた。
母の顔を知らずに育ち、高校時代に父を亡くし、就職するまでは祖父と共に暮らしてきた。
十年ほどいるにも関わらず、俺の周囲と反してこの街並みは変わることが...【がくルカ】私の初恋と白衣の彼【side:G】
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どんなに重い罪を犯した人間にも、その行動には訳がある。
行動の真意を知り、同情してしまうことも少なくはない。
しかし、いかにその行動に万人が同情しても、犯した罪が消える事はない。
大きな罪には必ず大きな罰が待っている。
その罰を下すのは、私だ。
ねえ母さん、全ての人に贖罪の機会があるって言ってたよね...【悪ノ大罪】ネメシスの銃口 Ⅱ【自己解釈】
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もしもあの時こうしていれば。
今ここにいたのは、本当に私だったんだろうか。
涙の数は後悔の数。
私は、誰よりもずっと、損をした人生だった。
今までずっと、特別な人生なんて送れないと思ってた。
ただなんとなく生きて、なんとなく誰かと一緒になって、平々凡々でありきたりな日常を過ごす。
それが私の一生な...【希望の手紙】後悔の雨に【音を失った少女に】
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未来の形を
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「二人、上手くいくといいけど」
教室の外で、中の様子を気にしながら呟く。
「大丈夫だとは思うよ。少なくとも今より悪化することはないだろう」
「うーん……でもなんか心配なんですよねえ」
「神威が詳しく話してないというのは予想外だった」
「おかげでルカの誤解もなかな...【がくルカ】memory【30】
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ひとつ、ふたつ、みっつ。
今日届いたメールの件数をいくら数えても、そこにあの人の名前はない。
今日優しい言葉を投げかけてくれた人をいくら思い出しても、そこにあの人の顔はない。
よっつ、いつつ、むっつ。
今日私がもらったプレゼントの数を数えても、そこにあの人からの贈り物はない。
何度すれちがった人に挨...【めー誕】ランプシェード
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あなたの心に
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「どうすればいいんだ……?」
昔の話。彼女達や俺が生まれる前の話。
二十七年前。とある八人の生徒が、その後二年間にわたり様々な理由により死亡した。八人はほとんど関連性がなかったが、裏でとある研究所が黒幕として関わっていたとの噂がある。
また、八人が死に行く...【がくルカ】memory【29】
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「盗まれた紙は・・・」
執事は嘆く。
「何処にあるのでしょう?」
メイドは悩む。
「Hurry hurrY!!」
少年人形は急かす。
「あっちへ?こっちへ?」
主人は迷う。
「ネエ、怪シイ手紙ガ」...Twilight ∞ nighT 3【自己解釈
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「もしやり直せるなら…」
彼は思い出の花火を見たいと答えた。
私もそうしたいと返した。
だけどそれはできない。
私は最後に「ごめんなさい」って言った。
あなたは最後に…
あのね、私はあなたを失いたくなかった。
だけどこうなってしまった今、私が生きている意味もない。
「ずっと一緒にいようって、いつも言...【七つの大罪】ネメシスの銃口 Ⅰ【自己解釈】
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「さあ、跪きなさい」
愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
絶対の権力を持っていたがために、あっけなくその首を落とされた彼女の話を。
昔々、とある大きな国がありました。
そこは「黄ノ国」と呼ばれていました。なんでそう呼ばれていたのかは正直よくわかりません。
その国に、一人の王女様がいました。...【七つの大罪】リリアンヌと楽しい日常【二次創作】
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夜も暮れると、子供達の姿は見えなくなる。
仕事が終わった人々は疲れを癒すために、様々な店に立ち寄る。
私は立ち寄るほうではなく場を提供するほうなのだが。
「……ん?」
いつもと同じように接客していると、店の扉の前に変な気配を感じる。
誰かが立ちっぱなしでこちらを見ているらしい。なんだか黒い影が見える...【カイメイ】Distance【Ⅱ】
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「私の仕事場に行きたいって!?」
ルカさんが目を丸くしてこちらを見つめる。
「どうして!? ゆっくり観光してればいいのに」
「その観光は昨日十分したからな」
「それに、なんだか今日嫌な予感がするんです。何かとんでもない事件が起きそうな…」
こういうときの私の勘って、三割ぐらいの確率であたる。
だから...ヴォカロ町へ遊びに行こう 9【コラボ・ゆ】
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「お父様、早く帰ってこないかな」
大好きなお父様は、私を外に出してくれない。
だから私は外の世界なんて何も知らない。
でも別にそれでもいいの。
だってお父様が「外は危ないことがいっぱいあるから出ちゃだめ」って言ってるんだもの。
ならば私はそれでいい。お父様はいつだって正しいのだから。
この部屋の中に...【箱庭の少女】少女人形と楽しい終末【二次創作】
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「ねぇ兄さん、ここはどこかな…」
暗いクライ森の中、そこにいるであろう人物に問いかける。
先程から同じような質問ばかりしている。
たったひとりの頼れるひとを、困らせてはいないだろうか…不安になる。
「大丈夫、ここは僕らがよく知ってる森の中だよ。暗いから怖いけど、じっとしていれば大丈夫さ」
なのに、兄...【置き去り月夜抄】仲良し双子と暗い森【二次創作】
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残された時間で
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「ふわぁ~、眠い……」
大きく伸びをしながら、欠伸をする神威先生。彼が無事退院して学校に帰って来てから、二週間ぐらい経つ。
それまで退屈に思っていた国語の授業も、ようやく楽しく思えてきた。それに代理で教えていた先生の授業、全然面白くなかったし。元々国語が苦...【がくルカ】memory【27】
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*前回までのあらすじ*
欺いてみないか?
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「…誰も気づかんな」
警官の服に着替えた俺達は、建物の中をほっつき歩いていた。
誰もこっち見ない。俺たちを「こいつらは警察だ」と、見た目だけで判断している。
案外、みんな馬鹿なのかもな。
「でも僕ら、一回やったことあるよね。警察の仕事」
「…こっそり...13943号室 Ⅴ【自己解釈】
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客間に通された俺とカイトは、互いに睨み合っていた。
「おい。記憶がないって、君もなのか?」
「あぁ。一ヶ月前から今までの記憶はある」
「そうか…本当に、僕と同じみたいだな」
「同じって…まさか、お前もそうなのか?」
「あぁ」
おい…なんだか、気味が悪いな。
なんなんだよ。
全く知らない赤の他人と、同...【VanaN'Ice】背徳の記憶~The Lost Memory~ 3【自己解釈】
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映像を見ていた。
頭の中を、映画のダイジェストのように、記憶が流れていく。
「…あぁ、そうか」
『非現実? こんなの現実の範疇を超えていないくだらないことよ』
笑いながら冷たい目をした初音。
『あのー。ここって……、MGR団、でいいんですか?』
スマホを弄りながら淡々と告げるグミ。
『私だよ。私があ...【リレー】僕と彼女の不思議な夏休み 14
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「救いが欲しけりゃ、金を出せよ」
私はかつて、沢山の被告人にそう言った。
哀れだったのだ、私も、犯罪を犯す者も…世間も。
いくら金を積んでも罪は消えないというのに。
お前の人生は、法廷の主である私の気分次第。
もっと金を出すというのなら、どんな極悪人でも無罪にしてやる。
金こそ全て、そういうふうに考...【七つの大罪】悪徳裁判官と自由法廷【二次創作】
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ただ温もりが欲しくて
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「私が悪かった……?」
私が変わらなきゃいけないんだろうか。でも、そう思う度に、怖くなるんだ。私が変わっても、彼の笑顔は見れないんじゃないかって。私が変わったところで、記憶や時間は、私達にはどうすることもできないんだ。
私は、病院の屋上に来ていた。転...【がくルカ】memory【25】
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全部、私のせいだ
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『グミちゃん……先生が……』
通話中と表示されたケータイからは、ルカちゃんの悲痛な声しか聞こえなかった。私はその一言で、今起こっていることを理解した。ルカちゃんが『先生』とだけ言うのならば、それは私の兄――『神威先生』のことを指す。
「ルカちゃん? お兄ち...【がくルカ】memory【23】
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また宴が終わる。
夢のような時間は、短時間で終わりを告げる。
そして…暗い満月の夜は明ける。
空に朝日を映し出さないまま…
「…そろそろ時間だし、起こしてきたら?」
「はいはーい、すっごく面倒くさいけど行くねー♪」
「おい、お前メイドだろ。仕事はちゃんとしろ」
今日も執事と他愛ない会話をして、お客様...Twilight ∞ nighT 2【自己解釈】
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「私からの贈り物よ」
薬が入った小瓶を差し出し、私は微笑む。
何も悪いことなんかない。
すべて、この薬で忘れてしまえばいい。
せっかくなので、軽ーく説明とかしちゃいましょうか。
あらすじにまとめるとね、私は医者の娘なのよ。
でね、小さい頃からの仲良しの、カスパルっていう人と結婚したのよ。
政略結婚だ...【七つの大罪】眠らせ姫と秘密計画【二次創作】
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*前回までのあらすじ*
悪魔は去った。
「で?どうすんの?」
深刻な顔でレンがカイトに言う。
っていうか、もう慣れそうだよ一文あらすじ。
今回のあらすじも適当だけど、間違ってはないし。
「うん、やっぱりここはこうしたほうが…」
「いや違うって。ここはこれとこれを取ったほうが、全部のカード取れるでしょ...13943号室 4【自己解釈】