【七つの大罪】ネメシスの銃口 Ⅰ【自己解釈】
投稿日:2014/08/08 21:41:44 | 文字数:2,829文字 | 閲覧数:5,458 | カテゴリ:小説
グミちゃんなう!
これまでの小説も読みながら書いてみます。
「ネメシスの銃口」本家様
http://www.nicovideo.jp/watch/sm24189059
「もしやり直せるなら…」
彼は思い出の花火を見たいと答えた。
私もそうしたいと返した。
だけどそれはできない。
私は最後に「ごめんなさい」って言った。
あなたは最後に…
あのね、私はあなたを失いたくなかった。
だけどこうなってしまった今、私が生きている意味もない。
「ずっと一緒にいようって、いつも言ってたもんね」
さようなら、愛しい人。
<<ネメシスの銃口>>
ねえ母さん…母さん。
私ね、今、何してると思う?
禁忌とされたことをしようとしてるの。
簡単なことよ、人間を殺そうとしてるの。
今までずっと使ってきたリボルバーをね、人に向けているの。
びっくりしたでしょ?
私もびっくりしちゃった。
でもね、これは誰かがやらなきゃいけないことなの。
この人はね、お金のためにたくさんの人を騙して陥れて、人の善意や真意なんか全て見殺しにして、自分さえよければそれでいい奴よ。
お金さえあればどんな人も罪を免除して、国中の反感を買ってもなお私腹を肥やした奴よ。
ふふふ、とってもとっても悪い人でしょう?
このまま野放しにしておけば、またたくさんの人が絶望することになるわ。
性懲りもせずお金を巻き上げるだけ巻き上げて、国からは公平さは失われて悪い人ばかりが増えていくの。
なんていうんだっけ、遺伝性悪意栽培者…「her」っていうんだっけ?
普通は時々の世界に一人か二人いればいいほうらしいね。
私ね、この人がそうだと思うの。「悪意」を世界中に広めるっていう使命が遺伝子に植えつけられてるんだって。
そうすると、悪い人はどんどん増えてしまう。
そして増えすぎた「her」は国に害をなし、やがては世界を滅ぼすことになるんだって。
だからね、私、考えたの。
そんなことが起きてしまう前に、私の手で、この人を殺してしまおうって!
母さんは私のしてた仕事知っているのかな?
私はいわゆる殺し屋というやつで、世間的に見れば「悪」の人間だったんだよ。
犯罪組織「ペールノエル」ってとこにいたんだよね。
…やあねえ、望んでいたわけじゃないのよ?
成長した私には仕事がなかったし、生きるために仕方なくやっていたことなのよ。
でも人はほとんど撃っていないわ。本当よ。
人を殺した数で正当化を図ろうとするなんて、私もとんだ傲慢ね。大罪だわ。
だけどね、この人、この男はね、その組織のリーダーなのよ。
詳しいことは詳細不明、リーダーさえも世間には知られて無いわよ。
昔、マルガリータって人が大事件を起こしたときには、当時の組織の情報は多くて正しかったみたいだけどね。
でもまあそれだけなら普通の悪い人でしょ?
私が許せないのはね、そのリーダーが連合国家「USE」の裁判官だったってことよ!
ありえない話でしょ?表向きは正義のために民衆のために国に尽くす司法の主、最も最近はお金を被告から取るために裁判で邪魔になる人間が居るみたいね。現にその標的となった人達は次々と死んでいったわ。
それは裏では犯罪組織の長として、部下に命令して殺させていたからよ。
その例として去年、私はこの男のために、私の愛した人を手にかけた。
「サンタ」って呼ばれてたっけな?とにかくその男は私にプレゼントとメッセージカードを届けた。
プレゼントの中身は銃身、メッセージカードにはただ愛する人を殺すよう書いてあったわ。
その人が正義の人間だった、ただそれだけの理由で。
結局狙いを外すことなんてできなくて、あの人を殺してしまった。
こうなってしまったのに私を責めることなんてしなかった。。最後までとてもいい人だった。
私は絶望から、自分で自分に銃口を向けた。
皮肉なことに、死ぬことはできなかったけど。
私はあの男に復讐を誓った。
何も悪くないあの人を奪って、いまだ現世に引き止めたあの男を。
あの男さえ居なければ、私は。
その意思は国中に広がっていった。
私はそんな民衆を率いて、悪を懲らしめる主導者になることにした。
復讐の時はもう来てしまった。
国中の怒りは火を放つ。
罪深き男よ、さあ懺悔なさい!
「こんばんは、ガレリアン=マーロンさん。…いえ、『Mr.Pere Noel』と呼んだほうがいいかしらね?」
「君か?この内乱のリーダーは」
余裕綽々に告げてくる男。
「そうよ。今までずっと酷いことをしていたけど、先日のオースディン将軍の裁判でもう皆我慢ができなくなったわ」
「ああ、オースディン将軍か。彼はもう死んでしまったんだったな。ッハハハハハ、そうか!随分あっけなく死んだな!冥界の主になんというように許しを請うのか、見れないのが実に残念だ!」
「冥界の主ですって?あなたは彼女になんて言うのでしょうね!私が彼女の元へ送ってあげるわ!」
男はいまだに笑い続けている。何がおかしいのよ!
「そうだ、いいことを教えてあげるわ。あなたの家にも火を付けたわ。大事な大事な娘さん、どうなるんでしょうね?」
「…何がしたい?この建物にまで火を放って」
「簡単なことよ、私が選択肢を二つだけ出してあげるわ。どちらか選びなさい。拒否権なんてないわよ」
「一応聞いてやろうじゃないか」
あくまで余裕と上から目線を崩さない男。
こいつ、いまだに自分の立場ってものがわかってないみたいね!
「そうね、眉間をこの銃で撃ち抜かれるか、それともこの業火の中で燃え尽きるか。その二つがあなたの死に際に相応しいわ」
「ほう。昔ルシフェニアの王女様は私と同じように捕らえられた際にギロチンで死んだらしいが、私もそうしないのか?」
「時代が違うわ。あれは執行人が代表でやってたけど、私が率いてる皆はぜひ自分達の手で殺したいらしくってね」
「ならば話が違うじゃないか。必然的に私は焼け死ぬことになるのか?」
「あら、でもリーダーである私なら別よ。私は民衆の代表でもあるの、その民衆のために私が直接手を下したっていいでしょ?」
「傲慢だな。その勢いのよさは褒めてやろう。思わず嫉妬するほどには」
「そんな余裕な口が叩けるのもこれまでよ」
苛立ちが募る。
早くハヤク、こいつを殺してしまいたい。
「さあ、早く選びなさい!」
「まあ待て。おいそれと自分の死に方が選べるわけじゃないだろう?」
「じゃあ私が選んであげるわ」
「まあ待て。せっかく来たんだ。君はこの内乱のリーダーと言ったな。リーダーなら冷静さをかいて感情のままに手を下してしまうなどしないだろう?ああ、ヴェノマニア事件でカーチェスはそうしたらしいな」
「やけに昔話が好きなのね?いいわ、懺悔も聞かせて欲しいし少しだけ時間をくれてやるわ」
私はそこまで心が狭い人間じゃないのよ?
話だけは聞いてあげないことも無いわ。
作品へのコメント4
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ご意見・感想
始めまして。ゆるりーさん、仕事早い・・・。
私は今日知ったんですよね・・・。暇つぶしに漁ってたら、出てきて・・・。ええ!!と思いましたww
ゆるりーさん、うますぎます!!楽しみに待っています。2014/08/11 21:36:22 From minya-
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メッセージのお返し
minya-さん、はじめまして。
お読みくださりありがとうございます。
暇つぶしでも、見つけていただいてとても嬉しいです。
自分なりの解釈でこれからも続けていきますので、お時間がありましたらどうぞまたお越しくださいね。2014/08/12 20:49:10
ゆるりー
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ご意見・感想
仕事が早いことに定評がでそうなゆるりーさん
フルボッコ代表なゆるりーさんのヘタレアンもいいが、余裕綽々でゲスマイルなガレリアンも堪らないね!
『私の財産~』は一度でいいから言ってみたい台詞№2です。
(ちなみに№1は『だけど仕事はがんばらなきゃ……(ニコォ)』です)2014/08/10 22:09:14 From Turndog~ターンドッグ~
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ご意見・感想
せっかく書いてたのにデータが全部消えてしまったT_T
ホントに悪ノPさんはいい意味で裏切るよね…
続き頑張って! 私も頑張るから!2014/08/08 23:46:27 From 雪りんご*イン率低下
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メッセージのお返し
なんて悲劇!(´ ; ω ; `)
今回の曲は本当に大罪なのかと今私が混乱してる程いい意味で裏切られちゃったね。
頑張る!りんごもファイト!
困ったならうちの兄さんを勝手に使ってあんなことやこんなことしてていいから((2014/08/09 00:11:49
ゆるりー
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愚かな王女の――いや、少女の話をしましょう。
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ちょうどちずさんから借りていた本が読み終わったので返しに行き、そこでごたごたに巻き込まれ。
なんやかんやあって、リビングへ戻ってこたつむりをしていた私に、あゆみんさんが声をかけた。
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【消火器がダンディーで気が利く場合】
消化器かカッパか、どちらがダンディーで気が利くかと聞かれれば【原曲者に謝れ】
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【消火器がダンディーで気が利く場合】消化器かカッパか、どちらがダンディーで気が利くか聞かれれば【原曲者に謝れ】
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日を重ねるごとにわからなくなる。
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さぁ、わけのわからない言葉を発する太った豚にナイフを突き立てて。
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dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
徐々に暑さが遠のく九月下旬。
お客の少ないこの頃、ネルは特に依頼もないのに俺の部屋に入りびたりである。
「……暇ー……」
「本店の方は大丈夫なのか?」
「お客さん少ないのよこの時期って……ほら、ちょうど学生は新学期だったり、受験生は追い込みはじめだったり、社会人だっていろいろ忙しくなるじゃない? だから人がホント少なくてねぇ……あ、どっぐちゃんそこもんで~」
dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑩~
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【がくルカ】Liar
ねえ先生、知っていますか。
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それは形のあるものとは限らないんです。
例えば色褪せた思い出。
目を閉じればいつでも大切な人に会えるんです。
【がくルカ】Liar
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【カイメイ】Distance【Ⅰ】
彼の冷たい一言は、曖昧だった私の心を引き裂いた。
その言葉に昔のような温かさは少しも含まれていないのだと気づくのに数秒かかった。
何をしても楽しくない。
何をされようが上の空で返事をする。
時間の感覚さえもが曖昧で、もうどうでもいいやと投げやりになっていた毎日。
【カイメイ】Distance【Ⅰ】
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【がくルカ】Snowy night
冬の雪は、静かに街に降り注ぐ。
寒さに身を震わせる人々の気持ちなど、何も知らずにただ舞い落ちる。
子供達は、白く冷たい雪で、はしゃいでいる。
大人達は、振り続ける雪など構いもせず、歩く速度を速めていく。
賑やかな街へ出かける気にもなれず、俺はただ窓を見ていた。
【がくルカ】Snowy night
のほほんと生きる物書きです。
ギャグから真面目なものまでいろんなジャンルの小説を書いています。
…のはずが、最近はがくルカを書くことが多いです。
IN率低いです。
マイページ以外では「かなりあ荘」というコラボに出現します。
全体的にgdgdなものが多いです。
小説は、自己解釈もオリジナルもやってます。
だいたいはその場のノリで書いてます。