《with あゆみんさん》
「ハロー!ゆるりーさん!」
すぅさんとちずさんがこたつから出て行き、読書をしていた私。
ちょうどちずさんから借りていた本が読み終わったので返しに行き、そこでごたごたに巻き込まれ。
なんやかんやあって、リビングへ戻ってこたつむりをしていた私に、あゆみんさんが声をかけた。
「ハローあゆみんさん!…もう夜ですけどね」
「あ、そうですね。間違えちゃった」
あゆみんさん。
数ヶ月前にかなりあ荘に加入した、私と同じ中学三年生の可愛い女の子。
某つぶやきサイトでも度々暴走を見せる彼女だが、とてもいい人である。
そしてルカさんと兄さんを愛してやまない人だが…もうここルカ廃多すぎやしませんか。
「今日は歩きながらパンを食べたんですよ!」
「あゆみんさんは何処へ向かおうとしているんですか」
ポッキーと一緒に買ってきたきのこ○山を開けて、あゆみんさんと一緒に食べる。
きの○の山も安かったんだよ。50円引きだったんだよ。
…勝手に誰かにとられないように、パッケージに名前書いてやろう。
ミシン目のあたりに書いてやろう。太字の油性ペンで。
「えっ、遅刻しそうになったらやりません?」
「そもそも遅刻しそうになりませんけど?」
「うぅ…正論で返されたー」
いや。めちゃくちゃな理論で返したりもしないよ。
むしろそっちは困るでしょ?
正論でも困ってる人ではあるが。
「ねーゆるりーさん」
「なんですか?」
「えへへ、呼んでみただけです」
微笑むあゆみんさんを見て、きのこの○を一つ口に入れてから、一言。
「今度からピンポンダッシュって呼んであげましょうか?」
「それだけはホントヤメテイタダキタイデスゴメンナサイ」
まさか片言で返されるとは。
「うふふ、冗談です」
「…冗談に聞こえない目と声でしたよ?」
ふっふっふ、そこに気づかれるとは。
私はいつでも本気だ。
《with 雪りんごさん》
「ゆるー、いる?」
ひょこっと扉からやってきたのは、かなりあ荘初期メンバーである、りんご。
蒼いセミロングの髪をなびかせてこたつにダッシュする彼女も、私やあゆみんさんと同い年。
そしてホm…とカイトを、この地球上の何よりも愛する、とてもかわいい美少女である。
…ここ、本当に大丈夫なのか?
「いるけど、何?」
「得に用はないけど、一緒にみかん食べようぜ!」
「いいよ」
キッチンのみかん箱からみかんを三つ取り出し、リビングのこたつに置く。
サッと手を伸ばすあゆみんさんとりんごを横目に、私も一つ手に取り、皮をむく。
冬のみかんもそろそろ終わりだね。
「りんご、なんか、テンション高いね」
「うっふふ、そうでしょー?いやー今日はすっごいいいもの見ちゃったんだよねえ」
「へーそんなすごいの見たのー」
「うんうんうん、よくぞ聞いてくれました!実はね」
「丁重にお断りします」
「ふぇ!?」
りんごのことだ。
多分「あのね○○×△△がすっごく素晴らしいことに気がついちゃって!なんで今まで気づかなかったんだろう!あの絵師さんの描く○○×△△は本当に鼻血が出るほど素晴らしく、私はあの人の落書きを今か今かと待っているのさ!いやあ本当美味しくてまじホモォ最高だぜヒャッハー!」とか言い出すんだろう。
私はそういうの、イマイチよくわからないし、興味もないから、断っておく。
「むー…ゆるゆるゆるー!」
「なーに?」
「呼んでみただけだよー!呼びやすいしただのイジワルだよ!」
「…ピンポンダッシュ第二号の誕生か……」
「えっ何そのあだ名!?」
あゆみんさんが同情の目を、りんごに向けている。
うん、君たちは何も悪くないよ。
悪くはないけど、私は無意味に名前を呼ばれるのは嫌だよ。
《with 茶猫さん》
「ひゃっふううううううゆーるりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
扉を突き破りそうな勢いでやってきたのは、私より頭一つ分小柄な少女。
私と同い年であり、ターンドッグさんに「ゆるりんてぃあゆみん」と呼ばれるほど仲がいい。
…んっと、すっごく面倒だから、茶猫の説明だけはカットさせていただこう。
「ふっ」
「ん?」
「んらあっ!」
私目掛けて飛び掛ってきたてぃあちゃんの腕をつかみ、一気に背負い投げをした。
いや、だって、面倒だったからね。
「ふにゃっ!」っていう悲鳴が聞こえたけど無視。
伸びるてぃあちゃんに背を向けて、言った。
「私に何の用だ、スプリンクラー」
「まだそのあだ名続いてたの!?」
「ほう、続いていないとでも思ったのか?君は」
「私が悪かったよ!だからその呼び方だけは本当にやめてくれ!」
適当に一つみかんを投げつけて、リビングの扉を開ける。
去り際、私以外の受験生チームの話し声が聞こえた。
「…皆さん。これってなんですか?」
「あーいつものことだからベツニ気ニシナクテイイヨー」
「ゆるはきっと、虫の居所が悪かったんだよ…」
「そうなんですか…」
「「「ゆる(ゆるりーさん、ゆるりー)だけは怒らせないようにしよう…」」」
…なんか、新たな伝説を生み出したような。
《with 清花ちゃん》
「…何だったんですか?今の」
ふっと目線をやると、そこには袴姿のきれいな女の子。
このかなりあ荘にとり憑く、世話焼きのかわいい幽霊…清花ちゃんが、そこに立っていた。
「ふふ、こんばんは、清花ちゃん。ちゃんと話すのは初めてだね」
「あ、はい。こんばんは…」
「ちなみにさっきのは、昔からああだから、深く気にしないほうがいいよ」
「あ、ソウデスカー」
また知らない間に、私のシルルスコープが起動していたらしい。
さっき背負い投げをしたときかな?
「でも私は、あんな風にされたことはないので…少し、羨ましいような気もします」
「え、何?清花ちゃんって投げ飛ばされたいの?」
「い、いえ…そこは遠慮します」
「だよね。私もしたくないし」
普段は敬語の私も、先ほどの受験生トリオと話したからか、かなり普段に近い口調になっていた。
清花ちゃんも私たちとほとんど同じ年だと聞いたから、それもあるのかな。
「でも私、触れたことがあるのは、どっぐさんとしるるさんだけなので…そういう触れ合いは、したことがないんです」
「そっか…そうだったね…」
そもそも清花ちゃんを見るには、『量産型シルルスコープ』が必要で、それを手に入れるには時間がかかる。
さらに清花ちゃんに触れるには、量産型シルルスコープを改造した『スターシルルスコープ』が必要になる。
スターシルルコープを手に入れるには、量産型の倍の努力が必要になってくる。
そして私はまだ、スターシルルスコープを手に入れていない。
そうだ、私は何を迷っていたんだ。
今ここに、温もりを必要としている子がいるではないか。
「清花ちゃん。もう少しだけ待っててね」
「え?」
「私、もう少し…準備をしたら、ちゃんと向き合うからね」
たまに耳に入るんだ。
『清花ちゃんは、いつも一人で掃除をしている』と。
これだけ大きくなったアパートだ、一人では骨が折れるだろう。
だから…二人で一緒に。
私も手伝いをして…清花ちゃんの苦労をなくすんだ!
…あとはまぁ、清花ちゃんの手のひら、ぷにぷにしたいだけなんだけどね。
「じゃあ、またね清花ちゃん!また明日ね!」
「え?あ、はい!さようなら!」
自分の部屋へ向かい、荷物を整える。
近いうちに、…ネルちゃんに会いに行こう。
ターンドッグさんに一つ、お願いもあるから。
White happiness --後編-- 【かなりあ荘】
はい、遅くなりましたが後編です。
どうもこんばんは、ゆるりーです。
というわけで受験生チーム+α(清花ちゃん)ですよー。
「しるるの日常」に、清花ちゃんは出てないでしょ?w
時列系としては、
前編http://piapro.jp/t/5XQj
↓
「しるるの悪ふざけ」http://piapro.jp/t/0Gk8
↓
後編(イマココ!)
↓
「dogとどっぐとヴォカロ町!~改造専門店ネルネル・ネルネ出張版⑥、⑦~」http://piapro.jp/t/cEPN、http://piapro.jp/t/C5aD
↓
「ヴォカロ町へ遊びに行こう 1【コラボ・ゆ】」http://piapro.jp/t/hp9Y
という感じです。けっこう長いですなw
ちなみにこの時点では、まだスターシルルスコープ手に入れてないですw
コメント3
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ご意見・ご感想
Tea Cat
ご意見・ご感想
ゆるりー、私の扱いが酷いそして酷いよ(´・ω・` )
そしてスプリンクラーの件は本当にスミマセンデシタ
2014/03/28 12:25:57
ゆるりー
気のせいd((
こんぐらいやんないとおもしろくないと思って。
別にキニシテナイヨ
2014/04/01 20:38:57
しるる
その他
清花ちゃんまで
さすが、ゆるりーさん!
ターンドッグさんとのコラボの一回目の時の感想にもあるけど、ゆるりーさんがみんなの作品を一番を読み取っている気がする
ほんと、だれよりも丁寧だよね
前後編、ほかの人のテキストとの関係性から
「卓球台(10)」「卓球セット(10)」「スプリンクラー(10)」の3つをプレゼント
*卓球台は部屋のなかでは狭くて広げられない
*スプリンクラーは庭がなくては意味がない
*ピンポンダッシュ⇒ピンポン⇒卓球
2014/03/25 23:04:11
ゆるりー
清花ちゃんは、きちんと話したことがなかったのでw
かなりあ荘について触れるときは、必ずかなりあ荘メンバーのテキストを読み返しながら書いてます。
コラボをする場合は、マイページのテキストを多々読んでますね。
やったー、しるるさんに褒めていただけたー!
よりどりみどりですな。
ようするに全部、意味がないと…w
さりげないスプリンクラーに吹きました。
2014/03/26 00:40:39
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
背負い投げでシルルスコープを起動させることに定評のあるゆるりー←
ルカ廃率………www
あ、あれだよ。うちのルカさんがしょっちゅうかなりあ荘を練り歩いてるから噂が立つんだ!(お前か
普段優しかろうが優しくなかろうが怒らせれば怖いのは当然です。
私は高校時代後輩に名前を覚えられるまで『怒らせると怖い先輩』と呼ばれていました←
だってキレるといつもアイアンクローで頭締め上げてたし(暴力変態
あと『何の用だ、スプリンクラー』が無駄にかっこいいな!www
2014/03/24 12:53:33
ゆるりー
起動しやすいんですねきっと←
成る程、納得!←
ところで、もっと白衣&眼鏡広まりませんかね(真顔)。
まぁ、そうですよね。
暴力変態ww反対じゃなくてww
それに関してはほぼ毎日言ってましたねw
無駄なかっこよさに定評のあるゆるr((
2014/03/26 00:35:46