オレは部屋でベッドに寝っ転がりながら、新曲の譜面を見ていた。
がちゃ
リンが部屋に入ってきた。
「ねぇねぇレン~!」
「なんですか」
「いい曲見つけた♪」
リンがオレの左耳にイヤホンを押し付けてきた。そして、リンは右耳につけ、隣に座る。
流れてきた歌声は、リンとオレのものだった。
この曲⋯
ラブソング?

曲を聴き終わった。
「覚えてる?」
そう聞かれ、何か心当たりがあるような気がした。 
記憶を辿ってゆく。
「オレとリンが喧嘩したときにレコーディングした曲?」
「よかった!覚えててくれたんだ!」
リンが笑顔でオレに抱きつく。
可愛いなぁ⋯



リンは、次の日も、その次の日もオレの左耳にイヤホンをつけ、もう片方はリンがつける。
その度に2人でいい曲を聴く。

ある日。いつも2人で曲を聴いている時間。
ミク姉とリビングで談笑していると、ドアが開いた。
そこに居たのは、顔を真っ赤にして、手にはイヤホンとスマホを持ったリンだった。
「⋯レン」
怒っているような低い声だった。
すると、リンは走って何処かへ行ってしまった。
玄関のドアが開く音がする。
「レンくん⋯?私はいいから、追いかけてあげて」
「⋯ごめん」
オレはミクにそう言い、部屋からリンのコートと、オレのコートを持って追いかけることにした。
外に出ると、冷たい風が頬を撫でる。
リンの行きそうな所⋯
すぐ近くの公園!
そうと思えば、ダッシュで公園まで向かう。

「⋯ふぅ⋯」
息が切れて苦しい。
当たりを見回す。
土管に人影があった。
「リン!」
「レン⋯!」
「どうして逃げたの?」
「だって⋯レンがミク姉と楽しそうにしてたから⋯あたしの事嫌いになったのかなって⋯」
「なるわけないじゃん⋯嫌いに⋯何でもリンが1番だよ」
リンが顔を上げる。
「⋯え?」
リンの唇にオレの唇を重ねる。
「嫌いなら追いかけないし、キスしたりしないよ」
リンの目から涙が溢れる。
「⋯じゃあ、もう一度一緒に聴いてくれる?」
「うん」
イヤホンをオレの左耳に、リンの右耳につける。
再生を押す。
「帰ろうか」
「うん」
仲良く手を繋ぎながら、皆の待つ家路に戻った。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

イヤホンで繋がる僕ら

リンとレンのイヤホンで繋がるラブ鏡音小説でした。
こういう体験してみたいです!夢でもいいから!

閲覧数:310

投稿日:2015/01/19 16:16:16

文字数:905文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました