忙しさを忘れ、ふと思い出す記憶がある。
日が経つにつれ、
その瞬間は各々のつながりを失い、
象徴された場面はより抽象化され、
さらに強い原色に色づけされて、
また引き出しにしまわれる。
あの時の複雑な感情は未だ存在しているが、
その感情に支配されることはなく、
答えは日々移り変わり、
意識にとけ込んで流れ薄れゆく。
あの日、
言葉は永遠に失われた。
だが、私は、思想の断片を拾い集め、
また自分で勝手にこさえて、
遺書らしきものを作り上げようとしている。
誰が為に、存在理由が必要だったのか。
それは、自分自身に行き着いてしまったのか。
そしてその必要性を見いだせなかったのか。
まっすぐに、
そして真面目に生きた。
それ故、曲がることや留まることができなかったのでは。
などと後から分析するのは、すごく単純なことだ。
すべてを明確にせず、
曖昧に御託を並べて、
私は時を重ねる。
片付ける必要のないものを背負いながら、
ゆっくり死に向かって。
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