幼き僕が話しかける
「僕にできることはない?」
ぼくのこころが揺らめいた
ぼくはいつも僕に背をむけて
見て見ぬ振りをしてる
苦しい 悲しい 哀しい
虚しい 寂しい
そんなことを思い
それでも ぼくは
そつなく笑う
押し込んだ僕をぼくは気付けない
ぼくはいつもぼくらしく笑う
明るく 無邪気に 爛漫に
でも 時折分からない
”ぼく”が”ぼく”でないようで
こんなはずじゃないのに
抑えていたものが溢れ出る
おかしい なぜだろう
楽しいのに苦しいよ
”ぼく”のなかに知らない”ぼく”がいる
幼き僕は怪物となって
ぼくに襲いかかる
「早く気づいて!」
「無視しないで!」
それは 強く 恐ろしいはずなのに
ぼくには泣き叫んで見えた
分からない 解らない
ぼくのこころは森に迷い
遠ざかっていく
でも近づいていく
先の見えない真の世界に
ぼくは僕に目もくれず
知らない振りをしてる
ほんとは知っているはずなのに
僕を気にせず
楽しげに歌う
押し込めた僕をぼくは気付けない
ぼくはいつもぼくらしく歌う
明るく 華やかに 伸び伸びと
でもなぜだろう
嬉しいのに悲しいよ
”ぼく”が”ぼく”でないようで
ちがう ちがう
こんなのぼくじゃない
”ぼく”のなかに知らない”ぼく”がいる
幼き僕は怪物となって
ぼくに襲いかかる
「ぼくがそんなじゃやりきれない!」
「僕もぼくじゃないの!?」
それは 弱く 幼いはずなのに
ぼくには 恐ろしく見えた
分からない 解らない
ぼくのこころは海に沈み
遠ざかっていく
でも近づいていく
終わりの見えない
本当の世界に
幼き僕は語りかける
「やっと気づいてくれたね」
ぼくのこころに光がさした
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