三つ目の物語は不思議な本
狂った話をつづった本
その本の主人公は
必ず狂っていた
血まみれ王様と王女様
骨だけの動物たちの死骸
そんな主人公たちがいる
物語自体がもう…
狂っていた…
この先の物語がまだない
この物語に先がないのは…
まだ誰もペンを入れないから…
一人の少年がペンを持つ
新しい一ページの話をつづる
だが、その少年も
どんどん狂っていく
新しい話は血で染まり
白いページが真っ赤に染まる
その光景は赤一色だった…
一人の少女がペンを持ち
続きの話をつづっていく
だが、その少女の話も
真っ赤で狂っていた
狂った物語がどんどん増えていく
それはこの本じたいをどんどん
真っ赤に染めていくことでもあった
どうして真っ赤に染めていくの?
本は作者にそう聞いた
作者は全員同じように言う
狂ってしまったから仕方がない
どんどん真っ赤に染まっていく
そうして不思議な本は
とても奇妙な真っ赤な本へと
姿を変えていった
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