「 フゴウ 」 と 「 フキョウワ 」
渇いた柑橘、搾り尽くした骨惜しみ
訓戒薙いで捨てた裏道廻道迷い道と
「むなしさ」は寒さか惧れの所為か
届かない触れられない果実睨んでいた
また一つ、誰かが漿果を奪ってゆく
狭量な拙僧と言えば彼らが喫す果蜜(しろっぷ)
蜜も悦も毒になることを祈っている
ねえ如何してねえ如何して、堪えて
何もできない、恥も仰いだ筈なのに
奔って、転んで、潜って泥に塗れた
僕は、また「輪転」り続くだろうか
呈色な飾燈と対なす鼠似た眇眇蹉跌(びょうびょうさてつ)
瘢痕を隠す白粉(ファンデーション)邯鄲(かんたん)の楼墜ちてゆく
単純な理由も理屈も理性も鈍(なまくら)ならば
衒学癖も格言(アフォリズム)でも月夜に灯でしょう
ねえ如何してねえ如何して詰まって
何も言えない覚悟していた筈なのに
苦悩も焦慮も、すべて絡繰られたる
僕はまだ「夢寐」を見るのだろうか
廉潔、罪障、揺るがす絶え間で僕は
蟒呑干し一体何処へ彷徨いゆくのか
辿り着くのか
ねえ如何してねえ如何して、霞んで
何も見えない明日は明るい筈なのに
誤謬も矛盾もすべて崩れ落ちそうな
僕を唯守るためもう絶対金輪際混在
誰も汚せない、僕の所為だと俯いた
もういいや、もういいや、もういい
「これで良かったんだ」と認める他
術がないんだ、涕の海も、翳る空も

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【歌詞】饐える葡萄 /初音ミク

閲覧数:1,273

投稿日:2021/05/11 20:38:55

文字数:567文字

カテゴリ:歌詞

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