柔らかいなにかを作るように、
私は私の気持ちを捏ねた。
伸ばしてまとめてつぶしてまるめて、
ラップをかけて、寝かせておいた。
柔らかいなにかは膨らんだ。
もちもちふっくら膨らんだ。
外から刺された爪楊枝、
ぱちんと弾けてぺちゃんこだ。
ああ、また捏ねなおすの?
量って混ぜてまとめてひねって、
涙がひとつこぼれ落ちた。
これじゃあしょっぱくなっちゃうね。
そういって君が、笑った気がした。
ああ、また我慢するの?
笑って泣いて押し殺して、
ため息ひとつこぼれ落ちた。
私はどうしてこうなのかなあ。
君は黙って、微笑んでいた。
叫びたい、本当は叫びたい。
発酵しすぎた気持ちを持って、
大きな声で泣きじゃくりたいの。
嫌なことは嫌って言いたいの。
甘いなにかを作るように、
私は私の気持ちを見つめた。
きって混ぜて冷やして流して、
ラップをかけて、寝かせておいた。
甘いなにかはよく冷えた。
つるつるつるんと固まった。
ひたされすぎた熱いお湯、
どろりと溶けてぐちゃぐちゃだ。
ああ、また作りなおすの?
量って混ぜてまとめて注いで、
涙がふたつこぼれ落ちた。
これじゃあしょっぱくなっちゃうよ。
そういって君が、呆れた気がした。
ああ、またそっぽ向くの?
苦い気持ちも押し殺して、
お腹の奥がじくじくする。
私はずっとこうなのかなあ。
君は黙って、佇んでいた。
壊したい、本当は壊したい。
固まらなかった気持ちをぶつけて、
届かない声で叫びたいの。
今の私をやりなおしたい。
生まれる前からオーダーするわ、
もっと頑丈に作ってと。
上手く生きる技量も欲しいわ、
だってこの世は難しい。
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