たとえば
カメラのなかにはね

体育祭
「いっしょに写真撮ろう」
震える手
私の勇気と
あのひとの笑顔

満面の笑みなの
ちょっと期待しちゃうくらい

やさしくて
にぎやかな君が
私にはひどく遠く感じて
ただ君に
ただ惹かれてく
私がひどく醜く見えて

いつまでも私のこと
感じてほしい

たとえば
みんなで過ごした教室には

卒業式
落書き彫ってあるね
君の机
今だけだよ
私の特等席

そっとなぞるの
「ずっとあなたが好きでした」

やさしい
あったかい記憶
ひとつずつ触れて確かめてく
そのたび
泣きそうな私を
あたたかく包み込んでくれるの

いつまでも君のこと
感じているよ

けどだめなの
だって私
星のような君を
想い描くことさえ
許されない

こんな想いは
消してしまわなければ

足音
上履きが擦れる
ふっと視線をうつす
そこには
夢かな
夢だと思う
私だって今言えるの？

いつまでも言えなかった
君に聞いてほしい

いつまでもずっと私
君が好きなんだ