深い森の奥
一人お城に住んでいる
心優しい吸血鬼
ある時森に迷い込んだ
小さく可愛い男の子
心優しい吸血鬼は
その子をお城へ連れて行く
蝙蝠傘に大きなマント
赤いワインを一口ごくり
牙の覗くその口で
神への祈りを捧げます
暗い城の奥
二人お城に住んでいる
心優しい吸血鬼
曇りの日でも傘をさして
陽に当たってはならないよ
当たれば消えてしまうから、と
静かな声で囁きます
蝙蝠傘に大きなマント
赤い果実を一口がぶり
牙の覗くその口は
優しい笑みを浮かべます
森の崖の下
二人血に塗れ横たわる
心優しい吸血鬼
どしゃぶり雨はお散歩日和
けれども足下気を付けて
小さな身体を抱きしめて
晴れてく空から守ります
蝙蝠傘に大きなマント
赤い涙をひと粒ぽたり
牙の覗くその口で
男の子のため笑います
深い森の奥
一人お城に住んでいる
蝙蝠傘の吸血鬼
あれから時は流れたけれど
小さく可愛い男の子
マントを引きずり傘を持ち
一人でお城に住んでいる
蝙蝠傘に大きなマント
赤いお花を一輪そっと
彼の眠る崖の下
静かな夜に捧げます
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