「ねぇリンちゃん」
「なぁに、レンくん」
「ぼく、おとなになったらリンちゃんの“おむこさん”になりたい!」
「おむこさんって、なぁに?」
「“ずっと一緒にいれるひと”だよ、リンちゃん」
そう言って保育園の先生は笑った。
「ふぅん、じゃあリンも“おむこさん”になる!」
「ふふ、女の子はね、“お婿さん”じゃなくて“お嫁さん”よ」
「じゃあリンはレンの“およめさん”!」
8年の年月を経た私たちは今現在、一言も会話がない状態。
別にそれがおかしいとかじゃない(何年か前だったらおかしいが)。
ここ1年で全くと言っていいほど私たちは会話がない。
中学に入ってから、なんとなくそうなってしまった。
私から話しかけようとしてもなかなか勇気がでない。
話すとしても「うん」とか「へぇ」とか、単語で終わってしまう状態だった。
そして今日は私たちの誕生日。
“私たち”っていうのは、偶然にも私とレンは同じ誕生日だから。
そして今日の誕生日に私は長年閉まってきた想いを伝えようと思っている。
多分レンは私を嫌って避けているんだと思う。
でも、ずっと閉まったままだったら後悔するから。
決心をし、私は今に至る。
そう、今から私はかれこれ2年ぶりにレンの家に行く。
隣の家なのに、登校も下校も買い物に出掛けるときも会わない。
これは完全に避けられているということだと思う。
『ピーンポーン』
インターホンを鳴らすと、「ハーイ」というレンの声が聞こえた。
「どちらさ…リン!?」
「あ、レン…」
「……どうしたの?」
「あ…、今日、誕生日だからプレゼント持ってきたんだ」
会話という会話をしたのはホントに久しぶりで、緊張してしまった。
「そうなんだ、ありがとう」
「っ、うん!」
「俺も用意してたから待ってて」
そう言って中に入っていったレン。
寒いのに玄関は開けっぱなし。
「何してんの?寒いんだから入れば?」
「え?あ、うん、」
お邪魔します、と呟いて玄関に踏み入れた。
久しぶりの匂いにドキドキする。
何か1年間の穴なんて無かったように思えた。
「はい、プレゼント」
「あ、ありがとう…」
顔が綻ぶのが自分でもわかった。
「ねぇ、開けていい?」
「うん!気に入ってくれたらいいんだけど…」
私のプレゼントが開かれていく。
「これって…時計?」
「うん、ほらレンさ、いつも学校のチャイムギリギリにくるから」
「……いやそれは……いや、嬉しいよ、ありがとう」
笑うレンをこんな間近で見るのはいつ以来だろう。
一層カッコ良くなってるな、なんて見とれてると、レンが話しかけてきた。
「俺のも開けてよ」
「あっ、うん!」
ひとつひとつ丁寧に開けていく。
パカ、と音がして出てきたのは可愛らしいネックレスだった。
「わ、可愛い…!ホントに貰っちゃっていいの?」
「リンのために買ったんだから貰ってよ」
「そう、だよねありがとう!」
「あともうひとつ、聞いて欲しいことがあるんだ」
「わ、私も話がある…」
覚悟を決めて話し始めようとすると、レンが先に話し始めた。
「1年間、避けててごめん」
やっぱり避けてたんだ、と少し心が軋んだ。
「でも、リンが嫌いで避けてた訳じゃない。気恥ずかしかったんだ」
少し俯き加減に話してるレンは何だか小さい。
「俺は、」
今度は真っ直ぐ私を見た。
「リンが好きだ」
嘘のようで、白昼夢かと思って頬をつねってみた。
「いひゃい…」
「当たり前だろ」
夢じゃ、ない。
「わ、たしも、レンが好きです」
そう言い終えてレンの顔を見ると、真っ赤だった。
「レン?」
「わあああ見るな!!」
必死に顔を隠してるけど、隠しきれてない。
そんなレンを可愛い、と思ってしまった。
「可愛いっ」
「お前だって真っ赤だぞ!」
「えっ、嘘!?」
「嘘」
「~~~もうっ!!!!」
思わず熱くなった顔を手で冷やした。
「にしてもいいプレゼントだったよ」
「?そんなに時計欲しかったの?」
「違うよ。彼女、貰ったしね」
……さっきより顔が熱くなったのは言うまでもない。
fin.
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ご意見・ご感想
檸檬飴
ご意見・ご感想
2人とも可愛すぎ!
リンレン最高だよ!
少女漫画みたいたセリフをサラッと言えるところがカッコいいよねww
文才スゴいな…
少しくらい分けてよ!
2011/12/27 15:40:02