「なんだ!?」
レンは声を上げたつもりだったが、自分の声の反響が聞こえないことに気づく。
コンピュータ・ウイルスがこの部屋のプログラムに侵入したらしい。
「おい、リン、たねぴこ、大丈夫か!?」
音声と映像をストップされてしまったのだろうか、呼びかけるがリンもピコも答えない。
落ち着け、下手に動くと危険だ。レンがそう自分に言い聞かせていると、ふと、部屋のあかりが元に戻った。
「初音さん、何ともない!?」
玄関先に一人の女性が立っていた。短い茶髪の大人っぽい女性である。手に持っているのは、現実世界で言うゴキジェットに誓い形状の物体、ウイルス駆除ソフトの類いである。
そしてその女性は、レンたちを見るなり
「あら?」
と、首をかしげた。
当然だ。勝手にミクの部屋に中学生が二人上がり込んでいるのだ。
――二人?
レンが辺りを見回す。そこに居たのは玄関先の女性とリンだけ。
――たねぴこの姿がない!
「! たねぴこ!? どこだ?」
返事がない。レンの頬を冷たい汗が伝った。
「ちょっと、君たちどうしたの? 何があったの?」
女性はレンたちに尋ねる。
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レンは消え入るような声でつぶやいた。
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