無神経だって言われた。それは自覚してるつもり。好奇心で過去をほじくられても喜ぶ人なんて居ない。だけど私は悔しかったの、言いたい放題言われて、酷い事言ったのに謝る事も出来なくて悔しかった。

「せめて服返す位…良いよね…?」

捨てて良いって言われた翡翠さんの服はちゃんとクリーニングして私の手の中にある。文句言って、それから酷い事言ってごめんなさいって謝って、この服はお礼を言ってちゃんと返す。よぉし、脳内プランOK!問題は…。

「どうやって会うか、だよね…。」

あの人達が皆BSだとしたら、やっぱりBSの人に聞いてみるのが一番早いかも。でもBSって言われても見た目じゃ判んないし、本当かどうか確かめようも無いんだよね、発作とか起こしてれば別だけど。取り敢えず昨日会った場所から、人が居そうな場所に少しずつ捜索範囲を広げて行く事にした。今日はちゃんと変装もしてるし、防犯ブザーも持って来たし、絡まれそうな人は極力避けて行く。で…気付けば駅前通り迄来てしまったけど、名前と見た目の説明だけじゃやっぱり判り難いみたいでそれらしい人は見付からない。

「も~う!呼んだら出て来たりしないかなぁ~~!」

歩き疲れた上、お腹まで空いてしまったので、堪らず目に入ったケーキ屋さんに飛び込んだ。疲れた時は甘い物だよね!

「えーと、飲み物アイスティーで、オレンジタルトとショコラ、それから、あ!この
 ラズベリーパイに抹茶プリンとストロベリームース、後は…。」
「全部食うのか…?それ。」
「甘い物は別腹なんです~…って…あああ!春雨さん!」
「羽鉦だ!ボケェ!」
「女の子にボケとか失礼~。」
「どっちが失礼だ!…ったく。」
「ケーキ屋さんなんて来るんですね。」
「頼まれて買いに来たんだよ…っていっぺんに持つな!落とすぞ!ああ、もう貸せ!」

怒鳴りながら春雨…じゃなかった羽鉦さんはケーキ満載のトレイを持ってくれた。意外と紳士?

「それじゃ…あんま食い過ぎるなよ。」
「はーい…って、そうだ!春雨さん!」

掴み易かったのでつい髪を引っ張ってしまった。背が高いのも災いして結構痛そうな事になってしまった。

「…ってぇ~~~…今度は何?」
「えっと、菖蒲さんってBSの人を探してるんです!」
「知らん。」
「じゃあじゃあ、そう言うのに詳しい人とか居ませんか?」
「そう言われてもなぁ…。菖蒲って女か?」
「男の人です。菖蒲翡翠さん。」
「探せなくも無いけど…あんまり当てにもならないぞ?」
「全然良いですよ!手掛かり無しより一歩前進です!早速お願いします!」
「はいはい…と。」
「あ、このケーキ食べてから!」

お母さん…コントみたいにテーブルにガツンって頭打つ人本当に居るんだよ、知ってた?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -25.ケーキ食べてから!-

結局ケーキは羽鉦が驕った様です。

※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。

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投稿日:2010/06/03 11:08:15

文字数:1,148文字

カテゴリ:小説

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