まずボーカフォネティックを導入する。使用するユーザ辞書はSweetAnn用。

デフォルト歌唱スタイルのアクセント、ディレイは原則0、調教時に個別で調節。
VELは原則127、[s][m][f]等の箇所は後で耳で確認しながら適宜変更。

ベタ打ちでもなまじ聞き取れる分、耳は驚くほど速い速度で甘くなっていく。
できるだけ、ネイティブの発音と比較しながら調教したい。


ア段:
原則[V]、まれに[{]の方が良い場合も。
口を大きく開けたように聞こえる順から[aI][aU][{][Q@][V]。
 [V]の音が短すぎる場合は[V V]と入力。
助詞の「は」は[w Q@]の方が良いかもしれない。

「わ」は別トラックに分け、[w aI]か[w aU]と打ち込み、DYNを0にして母音変化後の音を削る。
GENを高めに設定していると「わ」がこもりがちになる。[w aI]と打って、直前のダミー音符をメロディ無視して半音上に置くと少し改善できるが、完全ではない。

「だ」は基本[V]だが、[aI]を使った方が良い所も多い。


イ段:[i:] 長音にノイズが乗ることがあるが気にしない。
 「し」「ち」は[I]との二択。
それ以外でも音を「え」に近づけたい時は[I]を選択し、GEN微増。

ウ段:[u:] OPN+64(シンガーエディタ使用)
エ段:[e] OPN-64 長音にノイズが乗ることがある。
 フレーズ途中で短母音の[e]が短く切れると困る時は、[e e]とすると音が繋がることもある。
 上手くいかなければ後続の音符を別パートへ。

オ段:
ボーカフォネティックで既に最適化されている。OPNでの改善は不可能。
不満は残るが後はGEN微増したりBRIやDYN下げたりで誤魔化す位か。
母音との接続でrの音が巻き込まれる場合は、「わ」と同様にして邪魔な音を削る。

 [OI]は[O@]より口を閉じた音。「と」は面倒でなければ[th OI]として語尾を削る。
 高音のオ段には[O:]が選択肢に入る。中低音では「あ」に近くなりすぎるので使いにくい。

ラ行:
rともlとも違うのである程度妥協は必要かも。
辞書通りまずは[l]/[l0]+母音で打ち込む。
目立つ部分のみ、子音部分となる音符の頭をほんの短く、DYNを40%位に削る。
ドット単位の作業が必要。子音部分が弱まり日本語のラ行に近くなる。気がする。
手間の割には「通して全体を聞いた時に気づくことがある」程度しか変化はない。

マ行:
「も」や「ま」がもたつく時はウ段と同じ要領でOPNを+64すると改善されるような気がする。
 [w][n][m]等の子音のもたつきが、音程が大きく飛ぶ箇所で起きている場合、直前にダミー音符をその音符の半音違いに置くことで改善できるようだ。

ジャ行:
以下の通り、それぞれ辞書登録を変更する。
「じゃ」:[z j V]→[Z V]
「じ」:[z i:]→[dZ i:]
「じゅ」:[z j u:]→[Z u:]
「じぇ」:(未登録)→[Z e]
「じょ」:[Z j U@]→[Z U@]


音の連結について:
VOCALOIDエンジンの機能はピアノロールに置かれた音符を滑らかにつなぐこと。
「上下行形でポルタメントを付加」のチェックを外していたとしても連結は発生する。
だが一部の音を別トラックに分ける作業をすると、その部分の連結が切れてしまう。
するとALには珍しいロボ声を披露してくれるが、それを避けたい場合は以下の操作が必要。

加工したい音に加え、その前後1音ずつを一緒に別トラックにコピーする。
元トラックの加工したい音も消さずにそのまま残す。
元トラックの加工したい音と、別トラックの前後の音のDYNを0にして消音する。
別トラックのDYNにできた長方形の右上の角を少し削ると、より自然につながりやすい。
[s][t]等の発声タイミングは音符の表示より前に位置するので、子音を落とさないよう削る位置を適宜調節する。

ただし「わ」や「オ段」等の二重母音の後ろを削りたい場合は、
本来の音の長さより音符を長くする必要があるため、別トラックの後ろの一音を削除する他ない。
この場合は、元の音の音符より64~128分音符ほど短くDYNを0にして、残った部分の右上角をなだらかにして処理する。PITで無理につなげようとするより上手くいくことが多い。

しかし無加工時の連結の自然さには劣る場合が多い。
時には発音を犠牲にして連結を優先した方が良い歌唱になるという状況も十分に予想される。


TIPS
・typoで偶然に発見したが「きょ」は[k h O@]の方が自然。
 ただしフレーズ冒頭と見なされなければ「こ」になってしまうようなので、逐一別トラックに分ける必要あり。

・[h]の挙動はいまいち分からん。

・「づ」は「ず」と同じ[z u:]で妥協する。辞書登録を[Z S u:]→[z u:]に変更。

・「ち」の[tS I]と[t S I]の挙動はなぜか同一。

・オ段と「わ」はどうしても苦手なようだ。
特にオ段で伸ばしつつ音程がなめらかに変化する箇所は無茶苦茶面倒。
今までで特に苦労したフレーズ「上手に笑わない」「私は何を残しただろう」「こころ」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

BIG-AL用日本語入力研究(メモ)

カバー曲を打ち込みながら気づいたことを書き留めました。自分用の覚え書きなので文体がアレですがご了承を。もし研究が進んだらこれに書き足すつもりです。

閲覧数:402

投稿日:2014/08/29 19:12:37

文字数:2,210文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました