いつからだったか、僕は意思を無くして塞ぎこむ
飼育箱に 入れられた 魚の気持ちだ

いまにも千切れそうな 貧弱な粗雑のヒレで
飛び跳ねていた過去を今思い出している

傘を差したカメレオンが
愛を垂らす
舌先を突き出して
『さあここから出ておいで』


今泳いで そしてぶつかる
恥じらいもなく 扉開いて
月眺めて また閉じていた
現実なんて 見たくなかった

君の言葉 思い出してた 
綺麗ごとはもう うんざりだな
明日なんて 二度と来なくて
それでも 僕は 前を向きたくて

嬉しくて 泣いたあの頃
そんな僕は もう戻らない
喜んでた 笑いあってた
そんな夏は もう戻らない

楽しかったな 嬉しかったな
そんな感情は 当に失せた
哀しかったな 寂しかったな
そんな感情に 押しつぶされている


書き記した 手紙の宛先を
忘れてしまった 
健忘症に襲われ もうダメみたいだ
『わ す れ て い る ふ り』
君はそうやって 目を背けるのでしょ?笑

傘を閉じたカメレオンが
愛を濡らす
影法師に映った少女の名前 教えて

今朧げ 故に 盲目
椎名林檎に 似ていた容姿
曲がり角の 洋菓子店で
バイトしていた 彼女はいない
 
溢れかえる 幹線道路上を 
一人で歩いてるのは
何度も見た光景のようで
いつの間にか当たり前のように

眩しくて さよならの夏
18度目の 苦い告白
『八月なら なお良かったね』
そんな会話を 一人でしてる 

壊れそうな 蕩けそうな
陽炎に  混じるセピア色に
虚しさと 淡い幻
溶けて消えた 三ツ矢サイダーの様に


水槽に液体窒素をまき散らして 逃げ場も無い
カチカチと 時計の針が 僕の命日だね

時間は 戻らず 鱗が 剥がれてく 前に 

嬉しくて 泣いたあの頃
そんな僕は もう戻らない
喜んでた 笑いあってた
そんな僕は 何処にもいない

楽しかったな 嬉しかったな
哀しかったな 寂しかったな
虚しさと 淡い幻
溶けて消えた 三ツ矢サイダーの様に

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

魚鱗と三ツ矢サイダー

閲覧数:152

投稿日:2019/03/12 17:28:23

文字数:847文字

カテゴリ:歌詞

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