キグナスは四季織々の彼方で
恋心だけを潮騒に香せた
哀しくも鳴いたさよならを
何よりも美しくする為
蒼白いSWANの幻影に抱かれて
夜ならばもう掴めるけど
朝になる度に夢が終わる
優駿にSWANは夏空を切裂いた
嗚呼 風にも寄り添わないで
猛た暗闇は誰を迷わせる
風流 脆くも崩れ落ちてく
欠けた宵月は愛を戸惑わせる
キグナスは四季織々の彼方で
凍る様な鎖に自由を奪われ
酷く軋んでも溜め息は吐かず
恋心だけを潮騒に香せた
波絶ちぬ湖の上で
折れてしまう程羽根を撫でる
氷上でSWANと鎮魂曲を奏でた
嗚呼 雪とも打ち解けないで
溶けたみぞれにも眉を歪ませる
悠々 陽炎を追い掛けてく
染めた暁は愛さえ滲ませる
キグナスの指揮で音色を交わして
罪も恐れずに口唇を壊した
罅割れた星は羅列を並べず
儚い花火にクチバシは微笑んだ
水面を揺らす哀しみの結晶も
不意に照らす慈しみの勲章も
宝石より輝いて棄てられずに居る
キグナスは死期を自ら悟って
憧れの果てで銀翼をたたんだ
故意に謳っても空には還れず
唯散る恋火をクチバシでついばむ
キグナスは四季織々の彼方で
凍る様な鎖に自由を奪われ
酷く軋んでも溜め息は吐かず
恋心だけを潮騒に香せた
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