-幽玄遊戯-

暮れゆく夏の終わりに
呼覚まされた儚い記憶
線香花火弾けた
幼い夜の物語

行けども果てぬ暗闇
闇で嘲う魍魎達
数え唄耳を貫き
逃げ道探し走り出す

過ぎ去りし遠い過去の
悪夢の中独り佇む
振り向く事もできず
私は置き去りにされる

深紅に染まったこの傷跡は
癒えることなく呻き続けた
とめどなく溢れ出る血と涙を
地面に浴びせ濡らしてもなお
華となり可憐に蝶と戯れ
鮮やかに狂い舞い踊った
愁いを帯び潤んだ瞳のまま
修羅の如く艶やかに密かに

過ちを掻き消そうと
禁忌の遊戯に手を染め
花札散れる戌の刻
白蘭は嫋やかに揺れる

いつしか痛みも忘れ
快楽に溺れ始める
硝子の万華鏡が映す
歪んだ倒錯の世界

幽玄の饗宴に
憑りつかれ我を見失う
差しのべられた手を
私は振り払い笑う

紅蜀葵はあの月明かりを浴び
己の影はやがて散り消える
時雨るる身は冷え凍え崩れ落ち
眼下に広がるそれは幻覚
掌の中に壱輪の華と
君の手の温もりだけ残し
霞も残らず朽ち消え果てた
陽炎の中私独りきり

一滴零れた悪の血と
湧き出す新しい生命が織り成す
残酷で美しい白昼夢
舐め合う傷口と交わす秘め事が
疼きだす

閉ざした眼に射す光

払った両手はまた幾度となく
差し出されて傷つきながらも
臆することなく私を見据え
いつまでも傍に寄り添いあって
鎮魂歌は私の脳へ響いて
臥した蝶は再びに空へ
残された世界は何も変わらず
金烏はその翼はためかす

黄金の羽は地に宿る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

幽玄遊戯

閲覧数:188

投稿日:2011/12/05 22:35:05

文字数:644文字

カテゴリ:歌詞

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