免罪符

投稿日:2018/11/20 17:08:39 | 文字数:800文字 | 閲覧数:68 | カテゴリ:歌詞

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とある偽善者の話。

最近色々と書き方を変えて試しています。
今回は物語のような詩を考えてみました。

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TEXT
 

こんな雨の日は
外に出るのも億劫だ
そうだ 良かったら
僕の昔話を聞いてくれないか
蝉が鳴き始めた日差しの強い頃
僕が初めて人を殺したときの話を

その日はむしゃくしゃしていて
何もかもがうまくいかなくて
確かテストの点が悪かったとか
恋人と別れたとか
まあ別に理由なんてなんでもいいんだ
悪いことはいつも重なるもんだ

気分転換に歩いていた 学校の裏山で
輪っかになったロープを見つめてる
首吊り間近の学生がいた
止めるべきか無視するべきか
人間らしいのはどちらだったか
わからないまま僕がしたのは
迷うように佇む志願者の
踏台を蹴り飛ばすことだった

別にこれは懺悔ではない
ぶら下がる体が振り子時計のようで
見上げた顔は僕には笑顔に見えた
喜んでくれて本当に嬉しかった
僕は善い人間だ 君もそう思うだろ
一人の心を救えたんだ


思い返してみたら
僕は昔から冷たい人だねと
言われ続けて
本当に自分がそうであるように思えて
ありがとうと言われたかった
感謝されてみたかった

背中を押してあげたとき
彼女はありがとうと落ちていった
刃物を引いてあげたとき
彼は安らかな眠りについた
ああ僕の罪はどうでもいいんだ
喜んでくれればそれでいいんだ

最後の最期に頼ってくれるのが僕なら
なんでもするさ 蝉の鳴き声を思い出す
裏山に埋めた彼女のおかげで
今年もカエデが色づいた
一際紅く色づいた
善いことをしたと心があたたまる
僕は冷たい人じゃなかった
優しい人になれたんだ

別にこれは懺悔ではない
疲れきった人を助けただけで
いつも彼らの顔には笑顔が浮かんでいた
喜んでくれて本当に嬉しかった
僕は善い人間だ 君もそう思うだろ
なんでそんな顔で僕を見るの


こんな雨の日は
外に出るのも億劫だ
そうだ 良かったら
僕の昔話を聞いてくれないか
こんな雨の日に死んだ
僕の友だちだったあの子の話を

元「赤月奇瑠」です。
アカウント作り直しました。
基本的に暗い詩しか書けません。
お目汚しではあるかと思いますが読んでいただければ嬉しいです。

コラボ大歓迎です。
お気軽にご連絡ください。

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