行方さえ知らず 彷徨う
勾引かす(かどわかす)人を恐れ
荒廃した街と希望
教会の柱を抱く
「どうか踏み入らないで下さい」
その言葉は人々には届かずただ眺めるだけ
私の家だった場所には人が訪れ
禁域も知らずに欲に流されていく
灰の雨が降るこの街で
出逢った修道女(かのじょ)は言う
「生かされる場所は無いの。
生きられる場所は在るの」
気付いた時にはもう私は其処に居た
それが当たり前と受け入れているだけ
嘗(かつ)て私が其処に居たのは惰性だけで
観想さえ知らずにただ流されていた
今はまだ知らない箱庭の外側
もしもその先に未来があるなら
いつか青い海を見つめて私は言う
「此処が私の街。私の生きる場所なの」
カターニアにて
http://piapro.jp/content/6fgekq3xw1d6v4zu
上記の門角(もんつの)さんの歌詞募集用です。
概要
カターニアはイタリアのシチリア島にある都市。
今回の歌詞は1669年に起こったエトナ火山の大噴火をモチーフにしたものです。
大噴火により、街は半壊、人々は混乱した。
少女は修道女として物心付いたときから修道院で暮らしていたが、その修道院も噴火による地震によって崩壊した。
少女が家を失った悲しみにくれる中、混乱に乗じて修道院の禁域(クラウズーラ)に金目の者を奪おうとするものが現れる。
彼女はそれを止めようとするが、無力だった。
火山灰が降り注ぐ中、彼女は経験を積んだ修道女に教えを説かれる。
「生かされて暮らすのが修道院ではないのです。真理・実在を他の目的のためにではなく、それ自体を知的に眺める為に其処で生きるのです」と。
彼女は今までの人生を省みる。
そして、今まで生きてきた故郷に感謝して、自分の生き方を見つけようと思った。
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