≪正門にて≫
「きゃあっ!カイト様とがくぽ様だわ!!」
誰かが叫んだ。
その瞬間から、さっきまで静かだった正門付近が、急にざわめきはじめた。
それにしても、カイト、がくぽって誰だろう?
私はテトに聞いた。
「えっ、カイト様とがくぽ様の事、知らないの!?」
「テトは知ってんの?」
「当ったり前だよ~!学校一をおったのアイドルだよ~?かっこいんだよ~!?」
「わかった、わかった。わかったから、うん、マジで」
私って、案外時代遅れなんだなー。
「ねえリン。見に行こうよー!カイト様とがくぽ様を!!」
「……別にいいんだけど、時間大丈夫?」
「大丈夫!ほら!!」
「わっ、ちょっと!!」
テトは私の腕をつかむと、満面の笑みで人だかりへと走った。
そんなにかっこいいの?なんで、こんなに人気なの?私は考えながら、テトの後を追った。




≪庭園にて≫
カイトとがくぽっていうやつは庭園にいた。
キャーキャーとうるさい庭園は、いつもの静けさなど、もうどこにもなかった。
「あっ、いたよっ!」
テトが指を指す。人ごみでよく見えなかったが、チラリと見えた。
青い髪がカイト。紫の髪ががくぽらしい。
カイト(なぜか呼び捨て)の第一印象、なんか弱そう。
がくぽ(なぜか呼び捨て)の第一印象、なんかウザそう。
マイナスの事しか思い浮かばない私だったが、見た目だけでは、なぜそんなに人気なのか疑問を持った。
しかし、その答えは簡単に導き出せた。
「カイト様、がくぽ様歌ってくださあい!!」
「お願いします!カイト様!!がくぽ様!!」

「「お願いします!!!」」

カイトとがくぽはどうやら、歌がうまいようだ。
そんなにうまいというなら、聞かせてみろ!!
心の中でつぶやきながら、私は耳をすませた。
場の空気が澄んでいくのがわかる。
カイトとがくぽは大きく口を開き………。




「~♪♪」
その歌を聞いた瞬間、おもわず息がもれた。
なんて、なんて美しい歌なんだろう。今までの嫌な思い出がどんどん澄んでいく。
聞いていると、とても落ち着く。歌を聞いてこんなに心が温かくなったのは、いつ以来だろうか?
そうだ、あの時、お母さんが歌ってくれた子守唄。泣いてたときも、子守唄を聞けばいっつも泣きやんでた。
目頭が熱くなった。そして、涙がこぼれた。もちろん、感動の涙だ。
私の他にも泣いている人が何人もいた。
周りを見渡せば、見知らぬ顔(たぶん近所の人)や、中には先生も唄に聞き入っていた。



さあ、クライマックス!!
「~♪――……!」
という時に、歌うのをやめた二人。
辺りが騒然とする。
すると、カイトが口を開く。
「メ、メイちゃん………!!」
「メイコ殿!?」
がくぽも口を開く。
二人の視線の先には、赤い衣装を身にまとった女性がいた。
カイトとがくぽの顔が真っ青になる。なぜそうなったのか、私にはわからなかったが。
後でわかったことなのだが、彼女はメイコと言うらしい。
彼女は不自然な笑みを浮かべながら言った。

「おはよう、皆さん。ごきげんよろしいですか?まあ、私が一番機嫌悪いんだけどね(←小声)お取り込み中、申し訳ございませんね。ちょっと、うちのカイトとがくぽは頂いていきます。」

ひいっという声と共に、カイトとがくぽは、メイコに連れて行かれた。
三人の姿が見えなくなったと同時に、どなり声が庭園に響いた。


「私のケーキ食べたのは、どこのどいつだァァあああああッッ!!!!!」
「ひいっっ!!ごめんなさあああいいいいいっっっ!!!!」
この声はカイトだ。
ドカッ!バキィッ!!
この時、カイトが何をされたか、考えないでおこう。
私はテトと苦笑いを浮かべながら、庭園をあとにした。




≪教室にて≫
始業式が終わり、私たちは教室へと戻った。
ざわついている教室に、見知らぬ大人が入ってきた。
教室が静まりかえる。
「おはようございます!そして、初めまして!!私の名前は、巡 ルイと言います。今日からこのクラスの担任をすることになりました。よろしくおねがいします!」
急に自己紹介を始めたかと思えば、このクラスの担任だというのだ。
「すいません!」
テトが手を挙げる。
「はい、なんでしょう?」
席を立つテトは、強い眼差しで言った。
「急に担任って言われても、私たちそんなこと知らないから困るんですけど。それに、亞北ネル先生はどうしたんですか?別に、教師を辞めるとか一言もいってませんでしたけど」
教室中が騒ぎ始める。「ネル先生はどうしたの?」「ってゆーか、あの人だれ?」など様々な言葉が飛び通う。
そんな事はおかまいなしに、ルイという女性は笑っている。
何か、おかしいと感じた。……何がおかしいのか分からなかったのだが。
と、その瞬間――……


「~**♪ ~~*♪***♪」


気を失いそうなぐらいの雑音が、私の耳を突き刺した。
頭がわれるぐらい、痛い。
耳をふさいでも、雑音が聞こえてくる。
よく聞くと誰かが歌っているように感じた。


「~*♪ ――………」


やっと止まった。
汗がボタボタッと落ちる。
「……はあっ!……はあっ…はあ……」
「大丈夫?…リン?」
テトが声をかけてくれた。
「…私は大丈夫。………テトこそ…大丈夫?」
「え……何の事?」
え?
「ほら、さっきの雑音…」
「雑音?…って?」
え?…え?
「ううん、何でもない…?」
みんなは聞こえてないの?
その時、ネイは笑っていた。
あやしく目を光らせて………。



第三話に続く

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ドリームミュージック ♪リンとレンの夢の歌♪ 第二話

最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。
第三話もよろしくお願いします。

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閲覧数:161

投稿日:2011/09/05 10:46:32

文字数:2,284文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連する動画0

  • ちゃーちゃん

    字の間違いがありました。
    最後の方に出てくる、ネイはルイの間違いです。
    失礼しました。

    2011/09/05 10:52:14

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