扉が閉まってる
外を窺う覗き穴には
巨大な目玉が嵌まってる
唇の足りない郵便受けは
情報専用の四角い通路
金属の肌に温もりは無くて
生きてる感覚を奪ってく
入れず出られず開けられない
隔絶されたこの部屋で
涙が出るのは何度目だ
人を罵る賢い鳥は
ぼちぼち朝もやに声を混ぜる
太陽を嫌いになったのは何時からだろう
かといって月を眺めるわけではないけど
会いたい誰かは一人もいない
だけど一人じゃ発狂しそうで
外の世界を阻む不気味な扉は
もう怪物にしか見えない
いつか怪物に食われて楽になるだろうか
それとも既に怪物に食われているのか
部屋の隅でうずくまり
ゆっくりゆっくり
機能を止める
扉は閉まってる
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