ジャケット

題名の無い物語

物語が終わり
表紙を閉じて
何も無い
空白の時間が訪れる

題名の無い
寂しい話
夕陽の中に消えていった
あなたの様にね…

遠い昔に
無くした事を
書いてある物語が終わる

何故か心が動かず
訳もなく読んだ話が…


物語の始まりは
あの児との出会い
生まれて来た命が
手の中で薫る

見上げた空の
鳥を追う様に
伸ばした その手を
風が渡る

そんな あなたの輝く時を
帰らぬ病が覆って
私の腕の中で
静かに息を止めた


物語が終わり
部屋を後にする
残った本は
いつ迄
埃を被る?

窓に映る星は
泪の様に
いつまで
この本を
見つめるのだろう?

可愛いあの児
死んだ話は
時の流れに
苦悩に埋もれて

いつの間にか忘れられ…
永久に眠るのだろう


物語が終わり
表紙を閉じて
何も無い
空白の時間が訪れる

吁々…

00:00 / 04:32

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

題名の無い物語

人の一生は一冊の本。多くの経験、努力の末の成功と挫折、出会いと別れの中で、重厚な物語を育んで行きます。でも、もし、生まれて間もなく死んでしまったら… それでも、母親にとっては忘れられない1冊の本になるのでしょう。この歌を作る切っ掛けは、テレビで不治の病に侵された子供が、闘病の末、幼くして死んだドキュメンタリーを見た事だったと思います(高校時代の事なので、はっきりと覚えておりませんが、何となくそうだったと記憶しています。はっきりしなくて申し訳ありません。)。その子の母親が、時を経て、その子の事を思い出したら、こんな感じかな …と。実際、私にも1歳年上の姉がいて、私が生まれる前に病気で死にましたが、母は時々その事を思い出す様で、先日もその事を、私に話してきました。(「お前に話すのは初めてだけど」と言っていましたが、何回も聞いたって言うの!! 年老いてしまったら、自分の言った事の記憶も曖昧になる様です。)でも、いや、それだから、母親は有難いのかも…

閲覧数:71

投稿日:2021/03/22 21:15:28

長さ:04:32

ファイルサイズ:7.7MB

カテゴリ:ボカロ楽曲

クリップボードにコピーしました