マダム・メリーゴーランド第三話です!!
・・・・なんだろう、この歌声はー・・・・・
僕は目を開けた。視界には白い髪の女がいた。
リンドだ。
彼女は歌っていた。何の曲かはわからない。
「ん・・・・・。」
僕が少し動くと、リンドが歌うのを辞め、こちらに目を向けた。
「あら、起きたのね。」
「気分はどう?」
問い掛けられて、僕は答える。
「う~ん・・・・・・なんか・・・頭が重い・・・・。」
「ま、そうでしょうね。あんなに遊んだもの。」
僕は、
「遊んだ・・・・?あんなに・・・・?」
「あら?覚えてないの?昨日の事。」
僕は、小さく首を横に振る。
ほんとになにも覚えてないのだ。
そしたらリンドは、
「ふふ、あなた昨日、子供みたいにはしゃいで、おもいっきり遊んでたわよ。ほんとの子供みたいに。」
彼女は少し笑いながら言った。
「僕が・・・・?子供みたいに・・・・?」
「ええ。」とリンドは頷きながら言った。
「ほんとよ。」
リンドに言われ、僕は記憶の綱を引いて言った。
(確か昨日は・・・・この遊園地にいて、城に行って・・・・。・・・・!)
僕は思い出した。
昨日、おもいっきり遊んだ事を。
(あれは本当に楽しかったなぁ・・・・。)
僕な思い出に浸っていると、
「で、思い出に浸っているとこ悪いんだけど、そろそろ膝が痛いわ。」
リンドに言われ、僕は彼女の膝枕で寝ていた事を思いだし、たちまち赤面した。
そして慌て起き上がり、
ゴンッ
リンドの頭に額を勢い良くぶつけてしまった。
「~~!!痛た~!」
結構な痛さに額を手で抑えて、彼女の方を見ると、
彼女もまた頭を手で抑えていた。
「ごめん・・・・。」
「いや、いいのよ?」
「そ、それより、立ち上がってくれない・・・・?」
「あ・・・・うん。」
僕は立ち上がった。
今度は、ぶつけないでちゃんと立ち上がった。
そしてあたりを見渡すと、そこは、さっきいた城だった。
しかし、男たちの行列はなかった。
「え・・・・・?あの人達は・・・・?」
僕は振り返りながら言った。
「帰ったわよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・帰ったのか。」
すると、突然リンドの手が僕をつかみ、抱き寄せた。
「・・・・・・・・!?」
驚いたが、抵抗しなかった。
そのまま、されるがままに抱かれた。
彼女のぬくもりは、あたたかくて気持ちいい。
そして、リンドに身を委ねた。
それから、なぜ僕は抵抗しなかったかを考えた。
(なぜ・・・・・今僕は抵抗しなかった?普通ならすぐ押し返すだろうに・・・・・・・・。)
そして、僕はひとつの結論にたどり着いた。
僕はリンドのことが好きだということに。
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