俺は今、動揺している。衝撃的で、言葉を失ってしまったほど。
視界の端の金色が揺れ動いたのを見て、近くの校舎に隠れる。
彼女がこちらを見たような気がしたが、それは考えすぎだ、と思いたい。



「リンちゃんが告白されてた?当たり前じゃない」
ツインテールの友人が発言に、また言葉を失う。
「あの子、すっごくモテるんだよ?レンが見たことないだけで、告白も何十回かされてたし」
畳みかけるような若葉色の髪の友人の言葉に、今度は力を失った。
「そんなの全然知らなかった……」
「リンちゃんが秘密にしてたからね。隠し事上手いよねー。演技派女優だよホント。グミも少しは見習ったら?」
「ミクもね。でも、そんな風に隠してるのがレンだけだからねー」
「知らないの俺だけ……?」
「もち。学年の人なら誰でも知ってるよ?」
「いつまでもレンだけのリンちゃんじゃないからねー」



昔から家も近く、幼なじみの俺とリンはいつも一緒だった。クラスが離れることはあったが、小学校の時は毎日一緒に帰っていた。
中学校に入ってからは忙しくなり、顔を合わせることも少なくなった。しかし、二人共離れようとはせず、会えるときは楽しみだった。
いつからか、俺はリンが好きになっていた。
それに気付いてからも普通に接することが出来たし、今までの関係で幸せだった。
しかし、いつまでたってもこのままというわけにも行かないらしい。



「で、どうするんだ?」
リア充がこっちを見てくる。面白そうだとばかりにニヤニヤしているクオがなんだかうざい。
「このままじゃ駄目だって気付いて、そのままじゃ何も進まないだろ」
こちらのリア充は真っ直ぐな瞳。グミヤいいやつだ。
「どうする……って言われてもなぁ……」
机に突っ伏し、考え込む。
告白なんて出来ないし、リンから離れるなんてもってのほかだ。しかし、方法がない。
[このままじゃ駄目だ]それに気付いたとしても、どの道に進めばいいのかがわからない。
いきなり行き止まりにぶつかった俺は、悩みに悩んでいた。
「うーん、やっぱり告白とか?」
「どうしてそうなるの!?」
なんだよ告白とか出来るわけないだろって思った瞬間そんなこというなんてこいつ心読んでるとしか思えない。
「レンはどうしたいんだ?それによって変わってくるぞ」
「俺は……」
リンとずっと一緒に居たい。恋人とか、そんなのにはならなくていいから、これまでみたいに一緒に笑っていたい。
それが出来ないから、困っているのだけれど。
「リンさんが好きなんだろ?傍に居たいんだろ?だったら、想いをぶつけてやれ」
いきなり真面目な顔をしてこちらを見つめるクオ。普段はいい加減なやつだが、時にはちゃんとしてるんだな。ミクが惚れたのは、こういうことか。
「よし、てなわけで放課後な!大丈夫、リンさん今日部活休みだ!」
と思った次にこれだからな。ミクがいつも疲れてるようなのはこの所為だ。




放課後。俺は緊張していた。心臓を鷲掴みにされたような、息苦しさ。
勢いで告白する……なんてことになってしまったが、もしこれで失敗したらもう一緒にいられない。顔も合わせづらくなって、きっと何も話さないまま大人になっていく。
しかし、リンの友人でもあるグミが放課後に中庭へ呼び出したらしい。これは行かなきゃならない。
もし、これで失敗したとしても、リンは、今まで通り優しい笑みを見せてくれるだろうか。
俺は前を向いた。

******

放課後に話があると言われて、人の居ない中庭で待っていた。グミがあんな深刻な顔を見せるなんて、滅多にあることじゃない。それに、レンの用事らしい。大事な幼なじみに何があったのか考えながら、木の幹にもたれ掛かっていた。芝生に陰が落ち、顔を上げると、なにやら過呼吸なレンがいた。
「ど、どうしたの?何があった?保健室とか……」
「大丈夫。話……聞いてくれるか?」
これまでに見たことのないほど真剣な顔つきの幼なじみに、頷くことしかできなかった。私の反応を見て、レンは安心したかのように笑って、話し始める。
「物心付いたときからさ、リンとずっと一緒だったよな。小学校の時なんか手繋いで帰ったりして」
今思えばくだらない話ばかりして、笑ってたっけ。
「中学入ってからはあんまり会えなくなって。それでも、話せると楽しくて」
お互い部活や仕事で忙しくなって。それでも変わらない笑顔が嬉しくて。
「俺、リンが好きだ。ずっと、一緒に居たい。それだけ。ごめんな、時間取らせて。忘れてくれても、いいから」
泣きそうな笑顔で告げ、背を向けた。どんどん遠ざかっていく、いつの間にか大きくなっていた背中を追いかける。手を伸ばして、制服の裾をつまむ。
「待ってよ。一人だけ言って、私の返事も聞かないなんて、ずるいよ」
止まりはしたが、振り返らない幼なじみ。
「私も、レンが好きだよ。ずっと昔から」
気付いた時には、好きになっていた。変わらない関係でも、満足だった自分が居た。
無邪気な笑顔に、恋をしていた。
「ほら、泣かないで」
「泣いてなんか……ない……」
震える声で呟いたレンに、いつものように笑いかけた。



「ねぇクオ、中庭が屋上から見えるの、知ってて選んだでしょ」
「二人の恋路はちゃんと見守らないとな」
「おいグミ、まさか気付いて……」
「まぁ、いいんじゃないかな。楽しいし」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【あーちゃんへ】 幼馴染みの気持ち 【お誕生日おめでとう!】

今日は友人のアストリアちゃんの誕生日ということで、鏡音を書かせていただきました。幼馴染みにはまりだしたのはオサナナブルーであることは間違いない。

あーちゃん、お誕生日おめでとうございます!あーちゃんの温かいメッセで私は生きています←しかし文才もあって画力もあるあーちゃん何者ですか…。神様ゲェム楽しみにしてます!

閲覧数:187

投稿日:2013/04/30 20:13:29

文字数:2,228文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

  • 関連動画0

  • アストリア@生きてるよ

    ああああああああああああああああああありがとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!

    気付くの遅くなってごめんねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ(´;ω;)ブワッ

    かわいいよリンレンhshshshshshshshshshshshshs((((自重
    幼馴染いぇぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ((((氏ね

    温かいメッセだなんて…!!美里ちゃんの方が文才パネェのに……orz
    画力の画の字も無いよ!!一画目も書けないよ!!!

    おおぅ有難う!!本当に有難う!!!神様ゲェム頑張るよ!!ありがt(((何度目

    2013/05/13 18:05:37

    • 美里

      美里

      ちょ、落ち着いてw大丈夫?
      大丈夫、私はいつまでも待ち続けているから……(何それ

      hshsして貰えましたか、良かった……
      幼馴染みいいですよね!双子設定多いけど幼馴染み好きなんですよ!

      あーちゃんは揺るぎない鏡音愛をいつも見せてくれるよね。あーちゃんのメッセは励みになるんだよ。
      文才も画力もあるじゃない!あーちゃんにはたくさん!何画でも書けるよ!

      神様ゲェムすっごく楽しみに読ませて貰ってるよ!応援してる!

      2013/05/13 19:28:16

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