雨の日

降り始めのしとしと雨
独特のあの匂い 傘の中の私
君が傘を貸してくれたあの日
あの日と同じ匂い
この匂いはあの日を思い出させる
今でも覚えてる

いきなり突き出された傘
まさか君だとは思わなくて、
驚いて声が出なかった私
君が貸してくれた傘は、
無機質だけれど、
何故か温かかった

君が、走り去ってゆく
僕は、駅までだから


待って
お礼を言い忘れたの
ねぇ、神様、時間をください

待って。

君の背中を追いかけた
電車がホームに滑りこんだ

君が駅に向かって加速していった
どうか、間に合わないで
複雑な願いを祈った

電車は、雨を嫌がるように、
走り去った

君は、息を切らせて、
雨空を見上げて立っていた


次の電車が来たら、
傘を貸してください
それまでは、
傘に入れてくませんか


私が差し出した傘と同時に、
自然と声が出た
傘は、無機質だけれど、
私の頬は、とても温かかった

振り向く君の笑顔も、
君の吐く息も、君の手も、
温かかった



そんな君は、何をしているのかな
今度は、電車に間に合うといいね
それと私は傘持ってるから大丈夫

雨の日の独特の匂い
君の香り

電車待ちの私の手で、
温められる傘
雨空を見上げて

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

雨の日

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投稿日:2010/12/05 17:23:08

文字数:528文字

カテゴリ:歌詞

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