A
夜 駒鳥の夢を見てる
重い冬空の下
目は暗がりの道に慣れた
深い雪山の霧
B
両手から覗くように 屈み込むシロヤシオ
積もる雪 払わずに ただ今を生きている
C
ふと塞がった空を仰ぐ
彼が立ち尽くすように
今 混迷の霧は晴れて
遠く運命が燃える
S
駒鳥が舞い上がる 金剛を振り撒いて
風が吹き陽を告げる 頂きを朱に染めて
砕けない定めの色 輝きが降り注ぐ
吹き返す枯木には 束の間の雪花
A
日々 耐え忍ぶ木々の衣
鹿に剥がされた痕
身に幾つもの傷を受けて
尚も空見上げてる
B
立つ木々に垣間見る 容易くはない道を
迷いなく逞しく 突き進む眼差しを
C
過去 彩った時のように
枯れた木も咲き誇る
まだこの山も覚えている
彼の生き様も全て
S
駒鳥が舞い上がる 導きを携えて
風が吹き呼び覚ます 穏やかな旋律で
幻の命でさえ その目には陽が宿る
駒鳥を眼差して 返り咲く逝き花
雪花
今自然を見ると、かつての兄弟姉妹は私より遥かに大人びた視線をそれぞれの空へ向けていることを痛感するのです。
そこに運命を見出すのはよくあることですが、ある時(TVですが)大台ケ原の朝陽に輝く木々に降り積もった雪を見た時、「まるで花が咲いたようだ!」ととても感動したのであります。実際枯れ木じゃなかったと思いますが(ちなみに枯木はトウヒの木だそうです)、私はそこに生の息吹と、死者を称えるような美しき天国を見たのです。そして駒鳥の鮮やかさにはその時見た朝陽の輝きが見えたのです。あとその神々しい朝陽は、命にそれぞれの役割を与えたルーラーの姿のように、私の目には映ったのでした。
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