[砂時計を買った]
さらさら落ちる砂の細い糸が
今と私を繋ぐみたいだった
砂時計を買った 3分0秒がすぐ分かる
というわけでもない 3分待たなけりゃ分からない
なんて不便な物差しなんだ
思ったらすぐにすぐに触ってみたいのに
例えばこの声 ここからそこへ何秒かかる?
5秒じゃ間に合わない 何年掛かるかも分からない
なんて歪な理なんだ
その内に君は君は離れてしまうのに
もしも今と未来の間が
一瞬だけで過ぎてしまえばいいのに
約束の印をなぞり
一瞬だって待っていたくないんだよ
夜が過ぎて朝が過ぎた
猫は寝息を立てていた
春が過ぎて夏が過ぎた
蝉は休まず鳴いていた
さらさら落ちる砂の細い糸が
私を今に繋ぐみたいだった
もしも今と未来の間が
一瞬だけになってしまったならば
私は旅に出るのかも
移ろう時の映る物を探して
だけど明日は明日のままで
見えない水はいつか惑星を満たして
砂の糸が揺れるだけさ
なので今は探してみるよ
暇な夜にゲームをするよ
眠い午後に昼寝をしてみるよ
砂時計を買った 3分0秒がすぐ分かる
というわけでもない 3分待たなけりゃ分からない
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