同じ傘の下で君と二人歩く

壊れかけの傘差して雨の街を歩くけど
隙間から零れた雫で体は既にビチョビチョに

そんな事気にしないって笑う君に
俯く事しか出来ない私は笑えないまま

そんな私に君は言う顔を上げてごらんと
破れた傘は世界を覗く窓で
雨の中飛ぶ鳥たちは雨にも
負けず高らかに謳っている。

壊れた窓から見える
世界は私達二人の物
雲の切れ間に覗く空
雨を弾く草花も

どうして今まで俯いてばかりいたんだろう
世界はこんなに素敵なものであふれていたのに

傘を差しただけで世界を見失うなんて
今君となら笑顔になれる
壊れかけた傘を差して雨の街を歩くけど
体が濡れることはもう気にしない

髪を伝う雨雫、頬を撫でる微風も

壊れかけた傘を畳んで晴れた街を
君と手を繋ぎ歩いていく
雲の切れ間に見える青空空に
かかる虹二人で見上げる

天高く舞い上がり鳥達は謳奏で
草花は空に向け咲き誇る
こんな素敵な世界で君といれる
なんて素敵な日だろうか


＜ひらがな＞

おなじかさのしたできみとふたりあるいてく

こわれかけのかささしてあめのまちをあるくけど
すきまからこぼれたしずくでからだはすでにびちょびちょに

そんなこときにしないってわらうきみに
うつむくことしかできないわたしはわらえないまま

そんなわたしにきみはいうかおをあげてごらんと
やぶれたかさはせかいをのぞくまどで
あめのなかとぶとりたちはあめにも
まけずたからかにうたっている

こわれたまどからみえる
せかいはわたしたちふたりのもの
くものきれまにのぞくそら
雨を弾く草花も

そうしていままでうつみいてばかりいたんだろう
せかいはこんなにすてきなものであふれていたのに

かさをさしただけでせかいをみうしなうなんて
いまきみとならえがおになれる
こわれかけたかさをさしてあめのまちをあるくけど
からだがぬれることはもうきにしない

かみをつたうあましずく頬を撫でる微風も

こわれかけたかさをたたんではれたまちを
きみとてをつなぎあるいていく
くものきれまにみえるあおぞらそらに
かかるにじふたりでみあげる

てんたかくまいあがりとりたちはうたかなで
くさばなはそらにむけさきほこる
こんなすてきなせかいできみといれる
なんてすてきなひだろうか