足早に花曇りは過ぎて、
今は空蝉の群れが横たわって残るだけ。
震えた背中の向こう側
押し殺した表情の意味までわからないまま
疏水で,坂を駆け上る刹那
見上げた先に月が揺らぐ

夕闇に伸びる影、空に届く前に消える。
瞬く星を見て、孤独なセカイで君は笑う。
雨上がり、二人きり、線香花火そっと灯し。
何かを想い出して、密かな願いを唄う。

繋いだ手を離さぬ様にと、
終わりが来るまで二人寄り添って眠るだけ。
振り返れば
「二人で刻んだ足跡が線路の様だ」
と泣きながら言うの。
疏水から眺めた洛外の彼方
潜るトンネルねじれてしまう

何度目の季節だろう?
赤い目をして待つ日々の果て。
椛と同し色の、孤独なセカイで君が泣いた。
そろそろ六花が降るの。
流れでさえも凍り付いて。
永遠の、その終わり。そして始まりの唄。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

蹴上インクライン

八月二日、京都にて。

閲覧数:119

投稿日:2013/02/03 00:22:54

文字数:380文字

カテゴリ:歌詞

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