「えっ……なんでみんな黙っちゃったんですか?」
 「なんで?セト」
 「えっ、オ、オレにふるんすか?え、あ、いやそれは――……っね!!アレっすよね!?シンタローさん!!」
 「お前っ!!」
 「シンタローさん?…えっ、ま、まさかここにいる人みんな経験ゼ」「ち、違うぞ!?」
 あわててシンタローがかぶせる。
 「あれだ、クロ。大人の事情ってやつだ」
 「ないんじゃないんですかぁ……」
 「だってねぇ」
 「カノとオレは学校に言ってないっすからそーいうチャンスがなかったんすよ」
 「あー…シンタローさんは?」
 「シンタローくんは高校中退くんだから」
 「うっさい」
 「コノハさんは?」
 「コノハは恋愛とかよくわかってないよ」
 「ヒビヤは?」
 「コノハ以上にわかんないよ」
 重い沈黙。
 「で、でもほら、みんなで考えればわかるっすよ!!」
 「だ、だな」
 「だといいけどねーww」
 
 かくして、クロのデート(?)作戦会議が始まった。

 「まずどうやって公園までつれてくかですよねー」
 「それはさっき言ってた『散歩しに行こう』でいいんじゃないんすか?」
 「でもなんかそれ変に期待させちゃうんじゃない?」
 「やっぱそうですかねー?」
 「あ、じゃあこれどうっすか?クロ達は勉強しに行くんですよね?」
 こくんとうなずくクロ。
 「じゃあ、『ちょっと息抜きに散歩でも行こうか』とかどうっすか?」
 「二階堂って子だけ誘うのか?」
 「それはあらかじめほかの人と打ち合わせしとくんす。『ココの問題解けたら』とか言って残るとか」
 「で、クロくんと二階堂さんが公園に行く、と」(カノ)
 「おぉー!!」
 「でもそのあとどうやって話切り出すの」(ヒビヤ)
 「あー…」
 「それは二階堂さんの方から言い出してくるだろ」
 「ですかね」
 「まぁそんなもんじゃない?」
 「あとはクロなら大丈夫っすよ」
 「うん、大丈夫」
 「なんとかなるんじゃない?」
 「ふう、じゃああとはなんとかしてみます。ありがとうございましたー☆」
 
 
 「ねえねえ、そんなことより♪」


 カノがニタニタとクロに話を持ちかける。
 「そのモテモテの二階堂さんが目じゃないイケメンクロくんは、好きな子とかいるの?」
 「えっ」
 「いるんすか!!?」
 「あいや、いないですけど…」
 「いやいるだろ、その反応」
 「誰」(コノハ)
 「好きとかわかんないですし…」
 「でも可愛いなーとか思う子はいるんだ?」
 「まあ…」
 「どんな子っすか?」
 「言ってもわかんないじゃないですか」
 「じゃあその子とどこまでいってんの?」
 「はぁ?」
 「その子のことなんて呼んでる?」 
 「井浦梓だから、井浦さんって…」
 「えーつまんない。どうせなら『アズ』とか言ってあげれば?モテモテクロくんに言われたら嬉しいんじゃない?」
 「そうっすよ!!」
 「シンタローつまんなそう」
 「あ、シンタローくんはリア充なクロくんにずるーいとか大人げないこと考えてるだけだから」
 「ちげーし。でもクロが照れ照れしてるとことか面白そうだな」
 「キスとかしたの?」(ヒビヤ)
 「してないよっ」
 「しちゃいなよ☆」
 「その流れでヤっちゃえよ」
 「シンタローさん中1になんてこと言ってるんすか」
 「エネとかモモがいないから言うけどわりと男のアイデンティティーだろ」
 「え、そうなの?」
 「マジすか」
 「?」
 「コノハはわかんなくていいんだよ、きっと。僕等にはわかんないセカイだよ」
 「知りたいー?」(カノ)
 

 「何をだ?」
 

 「「「「「「え?」」」」」」

 「あ、キ、キド……お、おかえりぃ……」
 「マリー!!オレは違うっすよ!?」
 「え、セトひどくない?」
 「モ、モモ…いや、その…」
 「お兄ちゃんのアイデンティティー…ふーん、そうなんだ……」
 「ああぁぁああああぁぁぁぁぁっっっっっっ」


 そしてアジトに響く音。


 「子供に変なこと教えてんじゃねぇ!!」
 どごっ。

 「サイテェェェェェ――――――っっっ!!!!」

 バタンッ!!!(マリーが部屋のドアを閉めた音。)
 「マリー――ッ!?」

 


 そして望む明後日。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

クロくんの初デート作戦<中編>

後編になるはずだったんだけどなぁ……

ぐだぐだ長いです。
次で完結します!!
頑張ります(*_*)

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投稿日:2013/03/04 22:34:45

文字数:1,785文字

カテゴリ:小説

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