Windmill
いつもの帰り道 風の音
はじまりは覚えている
見上げた空は高く青く
あの夏の日はもう遠く
廃線の先 朽ちた風車小屋
風に乾いた音を立てる
丘の上 大きな雲の向こう
空はどこまでも高く
風車小屋の 丘に登ったら
世界の果てが 見えるんだよって
君は言うけど 「立ち入り禁止だろ?」
反対したのは ちょっと怖かったから
しばらく言い合ってから出かけた
仕方ないから僕は虫取り網と
君はよくわからない枝を武器にして
逃げ水を追いかけて
大きめの石を化石だって言い張ったこと
宝のありかを探したこと
長かった夏も終わったこと
君がいないこと
ゆっくりとゆっくりと 終わりへ向かう
約束も 意味も知らない ここで生きている
時が巡る はじまりは 終わりのはじまりだ
風が巡る 僕たちは どこにも続かない道を
さよならと 過ぎた日々を
拾い集めて 歩く
廃線の線路が 途切れたところで
水彩画みたいな 夕焼けになった
今さら世界とか どうでもよくなって
星が出るまで 草の上 寝転んだ
「なぁみんなの幸せのためだったら
自分の身体が灼かれてもいいと思えるか?」
なんてカンパネルラみたいに君が言う
送り火が揺れている
「じゃあ幸せって何だよ?」って言ったこと
次の約束できなかったこと
長かった夏も終わったこと
君がいないこと
ゆっくりとゆっくりと 終わりへ向かう
さよならの 意味なんて まだわからないよ
星が巡る 風車小屋は 今でも同じように
夏が巡る 僕たちは どこにも続かない道で
はじまりを その続きを
忘れそこねていく
夏が夕凪に沈んでく
さよならを覚えている?
世界は思ったよりも広くて
今はまた狭くなった
風車小屋だけあの日のまま
今も乾いた音を立てる
僕らはまだ どこにも続かない道を
さよならと 過ぎた日々を
拾い集めて 歩く
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