第一話 「音痴時々相棒」

 シンセサイザのベース低音がBPM170を刻む。やがてシンセベルが辺りに小花を咲かせていき、ストリングスの加勢により一気に小花達は花びらを空へ舞わせてイントロの始まりだ。

 やがて旋律を描き出すと、いよいよ主旋律だ。我こそはと、主旋律が堂々とメロディーを刻み込み、それはサビへと紡ぐ。

 彼の名は乃木幸宏。彼女いない歴と実年齢が同じ二十一歳。高校卒業と同時に、宮城県にある『仙台音楽大学』に入り音大生となった彼はピアノ科を専攻した。

 彼は幼少の頃からピアノを嗜んでいた。趣味を仕事に繋げられないかと、渓流釣りが趣味の人間が太平洋近海の漁師を目指すような感覚でこのキャンパスライフを送ることにしたのだ。

 すると入学早々、彼の才能は瞬く間に同じ学科の者達や先生達の耳を唸らせた。といっても、幸宏のピアノの腕前は相当なものである。幼少の頃から数多のピアノコンクールで賞を獲得したハンターであったのだ。

 彼のピアノを弾く技術は去ることながら、作曲が最も高評価だった。彼らの讃訟は幸宏の更なる原動力となり、作曲活動に熱を入れた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Fragile angel 1

彼女は言った。

「私はここと違う世界から来た」と。

「私は歌うためにこの世界に来た」と。

ミュージシャン志望の音大生が、ひょんなことからミクと共に過ごすことになった。

しかしミクは、ひどいくらいの音痴であった。いわゆる『欠陥品』である。




作品中に実在する曲を入れていきたいと思います(引用するのはアーティスト名と曲名のみです。歌詞は著作権の問題から引用はしません)。



ちなみに作中にある仙台音楽大学は実在しません。

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投稿日:2010/10/31 22:07:00

文字数:481文字

カテゴリ:小説

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