悲しい悲しい黒い部屋
そこでひとりぼっちで笑ってた
楽しい楽しいひとりごと
「次の生贄は誰かしら」
明るい明るい月夜には
きっとお姫様が眠るでしょう
切ない切ない物語
終わらせるための毒りんご

魔女と呼ばれてひとりになって
寂しくなっては涙を飲んで
私はきっと誰も愛さず
愛されずに消えてゆくのでしょう

救われたい気持ちなんてとろりと消えた
王子様と彼女は踊るの
許されたい気持ちだってここには無いの
赤い靴の私はひとりきり
「繕う言葉も顔もひどいものだよ」と
鏡の君は静かに笑った
「いつか私にだって王子様が」なんて
もうそんな妄想も忘れて


寂しい寂しい夜の部屋
頭の中ぐるぐる回りだす
悲しい悲しいひとりごと
「本当は望んでいないはずだ」
明るい明るい月夜にも
目玉はまだ慣れてはいないのに
切ない切ない物語
毒りんごを彼女は食べたらしい

きっと私はもうじき死んで
そこにはりんごの木が生るはずね
私の罪を誰も許さず
でも彼女だけは違うのでしょう

終末への鐘がどろりと響く私の
最後の涙を思い出しては
噛み切れない感情を食べてはまだまだ
夢見心地に制裁を待って
「いつまでこのおかしな日々は続いてゆくの?」
鏡の君はいつまでも笑う
「彼女ほど優しく強くなれたのならば」
世界はもっと輝いていたの?


さよなら私の悲しい寂しい部屋よ
もうここには戻らないはずだと
思い出せない雪のような白も赤も
こんなに苦しくて切ないのに
「これが物語の最後です」と笑った
鏡の君は割れて崩れた
「みなさんも毒りんごにお気をつけください」
りんごは甘く口に広がった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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毒りんごの魔女

閲覧数:1,272

投稿日:2014/10/19 10:21:03

文字数:682文字

カテゴリ:歌詞

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