七つ孵(かえ)して重なる心音
迎えに来たのは紅紫陽花(べにあじさい)
木から滑ったお狐様にゃ
食われ狸の腸(はらわた)を
百いくつかの鳥居を中で
五十いくつかの逆さ少女
はっとしてバイバイ
君が遺した遺愛(いあい)の簪
頭に刺そうか刺さまいか!
ああ いくつになっても おそろしい!
夜毎(よごと)食(は)んで消える経
なったはいいがなれはせぬ
墨で綴った九十九鶴(つくもづる)
部屋の隅にて絶叫
千いくつかの瞳のそとで
五百いくつかの骨
ぞっとしてバイバイ
粟立つ(あわだつ)背中に垂れる女
毳立つ(けばたつ)足に絡む指
眼球押すのはどの赤ん坊(あかんぼ)か
(おぎゃあおぎゃあ)
濁り月夜(づくよ)に浮かぶ腐乱の水面(みなも)
湖底に棲む拒食の魚(うお)が
食(は)んでいるのはどの指か
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想