※動画師くまっぷねっと主観による「動画のためのイラストの描き方」です。
この方法が正しいとか一番とかというものではありません。
また例外がないわけでもありません。あくまで動画制作の効率化を考えたときにこういう描き方をしていてくれると助かるというものです。


■ファイル形式について
 基本PhotoShopやSAI、ComicStudioで保存できる.psd形式でのデータがベストです。
 レイヤーをそのままに動画編集ソフトであるPremiereやAfter Effectsに読み込めるため、またイラストデータの修正があった場合も差し替えが簡単にできます。
 絵師さんは最初にやり取りするイラストファイルデータが完成品でなけはればならないということはありません。
 psdファイルでやり取りしているのであれば、(レイアウトやサイズが大きく変動するのは困りますが)あとからの修正・訂正も可能です。
 極端なことを言えば、ペン入れのみの.psdファイルを着色済みの.psdに差し替えることが出来るんですね。

 そうすることによって絵師さんの作業と動画師の作業を同時進行することが可能です。
 またpsdファイル書き出し可能なソフトを持っていない場合はどうなるのか。
 最低.pngの透過ファイルにてイラストデータを提出してください。
 .pngファイルの書き出しがわからないというビギナーさんですと、当方では対応不可となります。
 ※すくなくともファイル形式、データのやり取りに問題ない知識をお持ちの絵師さんとしかやり取りしないことになりますのでご了承ください。

 また例外的にaiファイルやespファイル等のやり取りもあるかと思いますが、これは絵師さんと動画師のお互いの知識レベルが合致してないと難しいと思います。


■イラストサイズについて
 基本的には決まっていません。ムービーサイズよりも大きければ、動画編集時にはイラストを縮小するのでどのサイズでも大丈夫です。
 ただ動画のためのイラストと限定すると一枚絵で立ち姿およびアップに耐えられる大きさをお願いしたいと思います。そうすることで、絵師さんの負担も少なくなりますし、動画師としてもアップショットからの退きでロングショット(立ち絵)が可能となります。
 また全身像を描くときには頭や手、足等が切れないように描いてください。
 静止画としてのイラストであればそれは問題ないのですが、動画前提であれば、全身は全身まま描くことが必要です。
 で、イラストサイズは結局いくつよ?と思われる方は「縦2400ピクセル×横3200ピクセル」で願います。(画面全部を使って描けということではありません。あくまで目安です。また全身像とアップ画像を一枚絵で制作する場合はこの比率ではありません)

※ただし、同一ムービー内に複数キャラを配置する場合は、キャラの比率をあわせて描いてください。


■左右反転
 デッサンの部分になりますが、動画によってはイラストを左右反転して使うことも多々あります。
 シンメトリーのイラストであれば、左右反転で1枚で2枚分の効率化が図れます。もちろんアンシンメトリーのイラストを否定することはありません。その場合はアンシンメトリー部分をレイヤーの差分として描いてもらえるとよいかと思います。
 ※髪型やリボンやポケットなどの小物位置が左右反転では都合悪い箇所がある場合は差分としてレイヤーわけをされていると便利です。

 あと、デッサンが狂っていると左右反転で思いっきりバレます(爆) 絵師さん自身で左右反転のチェックはしておいてくださいね。


■レイヤー差分について
 「差分とは、デジタル画像を圧縮する時に、あるデータを基本としてそのデータとの違いのみを記録することで、記録データの容量を減らす手段として利用されています」ってことらしいのですが、ことイラストについてはレイヤー分けの意味で捉えてもらってよいと思います。

 これってアニメ動画を考えるとわかりやすいかと思いますが、目や口のレイヤーを分けているとそれだけで、まばたきやクチパクで絵が動きます。逆にまったく動かない鼻をレイヤー分けする必要はないんですね。(イラストによっては鼻位置が動くものもありますけど)
 衣装の色だけが変わるような動画では、衣装部分のレイヤーを分けてもらうとその色修正だけで済むということになります。あとポーズの異なる手とか小物とかもレイヤー分けしていると動画として作業しやすいです。

 どこまでレイヤー分けしたほうがいいのかわからないときには動画師にご相談ください。動く部分を差分としてレイヤー分けする指示ができると思います。

 また、絵師さんから動画師にイラストデータを渡す際、レイヤーが分かれているほうがよいからと言って制作時のままのデータですと、どこにナニがあるのか動画師が混乱することもしばしば。
 必要な差分だけをレイヤー分け、変わらないデータはレイヤーを統合する。フォルダ分けも効果的に利用して、動画師にファイルデータ位置をわかりやすくする。これを基本としてもらうと有難いですね。


■イラストの加工処理について
 動画制作の際には元のイラストデータの縮小拡大はもちろんのこと、左右反転、色調補正やエフェクト等によってイラストに加工を加えることがあります。動画制作上の処理と予めご了承ください。


■背景について
 背景は必ず人物とは別のイヤーで描いてください。
 また横パンや縦パン等で利用することを思うと背景は横長、縦長のイラストでもOKです。デジカメ機能でパノラマ機能ってあるじゃないですか。ああいう横長の背景だと背景を流して、それだけて動いているって感じを演出することが可能なんですね~。


■データのやりとり
 基本的にはピアプロコラボ内のファイル置き場ですが、こちらは1ファイルが20MB以下の規制があります。個別に圧縮ファイルでアップロードできればよいですが、難しいという方はフリーの大容量ファイル送信サービスやSkypeのファイル送信などを利用ができます。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

動画のためのイラスト描き方

※動画師くまっぷねっと主観による「動画のためのイラストの描き方」です。
この方法が正しいとか一番とかというものではありません。
また例外がないわけでもありません。あくまで動画制作の効率化を考えたときにこういう描き方をしていてくれると助かるというものです。

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投稿日:2012/10/22 23:08:36

文字数:2,534文字

カテゴリ:その他

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