描いた明日は虚(きょ)に消えた
行き場を失った感情は
灰色の雨になって僕を覆いつくした

冷たい夜が体の中を通り抜けて
空いた椅子さえ攫った

伸ばした手は君に向かっていたのか
ただ溺れていたのか

井戸で生きていた蛙
海の味なんて知らない
雨は塩っ辛くて嚥下できない
しとど炎天下、喉だけが焼けついて名前も呼べない
なのに射し込む西日がどうしても眩しくて

ぬるい風が頬に残った
頭上響く鳥のさえずりが
僅かな思念を掠めていく

前を見るのが怖くて怯えて
咲いた朝さえ黙った

伸ばした手は天に向かっていたのか
ただ溺れていたのか

何にもなれなかった蛙
水鏡をのぞき朧
雨はとうにやんだというのに
快晴の慈雨(じう)、藍の色も忘れ夕にまどろんだ
なのに射し込む西日がどうしても眩しくて

なのに射し込む西日がどうしても眩しくて
翳す手に零光年の体温が仄か

狭間、大海がさんざめく
紅掛空(べにかけそら)の満天歌(まんてんか)
鳥雲に誘(さそ)われて赦されていたい
この手が届かなくても構わない
どこへでもいこう、西日に背を押されるまま

君の影を残して水の音
蛙は空を知る

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雲にかけはし

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投稿日:2023/12/13 22:34:40

文字数:489文字

カテゴリ:歌詞

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