分からなかった。
命を簡単に投げ捨てる感覚なんて。
でもいつしか、みんながいるのに
一人のように感じてしまっていた。
やり残したことだってある。
誰かが悲しむことだって分かる。
意味なんてないことも。
なのにふっと思い立ってしまった。
自分を知っているはずの自分ですら
相手に自分を伝えることさえできなかった。
わかってもらおうなんておこがましいけれど
少し優しくして欲しかった。
涙を受け止めて欲しかった。
悲しいはずの自分が思ったより健康で
病気にもならなかった。
何が現実かわからなくなって
寝ることもできなくなっていたのに。
自分という狭い世界のことは
誰に伝えても仕方がないことだ。
だから僕は、今ここに立っている。
ごめんなさい、ごめんなさいと
普段なら泣き崩れていたはずの
自分がやけに清々しく
行き先を見下ろしていた。
最期の時を自分から迎えるのは
怖いことだって思ってた。
どうして何も感じないんだろう。
あの曲を聴いては何度も踏みとどまった足を
ゆっくり、一歩ずつ。
虚空に進めていった。

…ごめんなさい。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

独白(1分11秒)[歌詞]

S.KT.です。
こちらは『独白(1分11秒)』の歌詞となります。

閲覧数:49

投稿日:2023/10/21 00:52:48

文字数:464文字

カテゴリ:歌詞

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