「ねー見てレン、これすっごく綺麗!」

そう言って、とても楽しそうな表情をする
「え、ああ・・・そうだね」
リンの目の前にあるのは華やかなドレス
パーティなどでもなかなか着る機会がないであろう古風な印象のそれは
しかしリンにとっては興味を引くものだったようで
買い物の帰りにリンが目ざとく見つけて、こうして店の前まで来たのだ

オレは、リン以上にこのドレスが気になった
話し掛けられても一瞬気づかないくらいに
リンははしゃいでいて、オレの様子には気づかなかったみたいだが

「ねえ、これ着るとリンもお姫様みたいじゃない?」
くるっとオレを振り向いてリンが笑う

(ねえ、これ着るとリンもレンみたいじゃない?)
(王女様、これっきりですからね!)
(うふふ、わかってるわよ)

「――レン、レン!ちょっと聞いてる?」
ハッと現実に引き戻される
「あ、ゴメン、ちょっとぼーっとしてた」
「もーレンったら」
「・・・でも、リンがこれ着ても、お姫様って感じじゃないかなぁ。」
「なによー私には似合わないって言うの?」
「いや、そうじゃなくてさ・・・・・・」
「じゃあ何よ」
「リンが着ると、我が儘な王女様って感じ」
「失礼ね!リンそんな我が儘じゃないもん!」
そう言うと、リンはプーッと頬を膨らませた
「あはは、お姫様はそんな顔しないよ?」
「ふーんだ、レンなんてもう知らない!」

拗ねたリンにゴメンゴメンと謝りながら
「でも、きっとリンには似合ってたよ」
「何で過去形なの?」
「あ、いや、さっき頭の中で想像してたから」
そう言ってちょっとだけ笑った

「我が儘で、世間知らずで、でも誰より寂しがり屋な王女様だよ」
「?、何か言った?」
「ううん、気にしないで」
レンったら変なのー、と言って再びドレスに目を戻す

リン、君は覚えてる?
かつて君がそんなドレスを着ていたことを
双子として生きることを許されなかった時があったことを


もう君はドレスなんか着ていない
政治に巻き込まれることも、人を憎むこともない
いつも一緒にいて、いつも二人で笑いあえるんだよ

「うーん・・・・そんなに似合わないかなぁ」
リンの不満げな、そしてちょっとだけ悔しそうな声
「いや、似合うとは思うよ?」
「本当!?」
パァッと顔を輝かせる
ふわっと揺れた金色の髪が、リンの笑顔をより華やかにした
「似合わない、はずがないさ」
「え?」
「ねぇ、リン」
「なに?」
「リンは、幸せ?」

(王女様は、幸せですか?)
(幸せ?それってどんなものなの?)
(えっ?そうですね・・・楽しいとか、そんな感じでしょうか)
(・・・・・・なら、幸せじゃないわ。だって、みんな私のことキライって言うもの)

「幸せだよ」
はっきりとしたリンの声に顔をあげる
不意に、リンの顔がぼやけて見えた

(でもね、今は幸せ)

「(だってレンがいるもの!)」

頭の中の声が言ったのか
目の前にいるリンが言ったのかわからなかったけど
それは問題じゃない気がした
いやもしかしたら
どちらからも聞こえたのかもしれない

君は今幸せですか?
君と僕が望んだ世界は幸せでしたか?
僕は少しでも君を幸せにできましたか?

いなくなった僕にそれを知ることは出来なくて
君は決して幸せではなかったかもしれないけど
でも、今の君は笑っているから

「オレも、幸せですよ」


そう、笑えるんだ
でも最後にもう一度だけ聞きたいな
君の口癖だった言葉

(あら、おやつの時間だわ)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

君は笑っていますか?

せっかく入ったのに何もしないのはもったいないと思って><
ちなみにピクシブから持ってきたやつです

悪ノ大好き//

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閲覧数:280

投稿日:2010/12/07 21:45:18

文字数:1,458文字

カテゴリ:小説

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